エム・シー・フーズが手がける昭和レトロデザインの紙容器入り100%果汁が拡大している。
同社は、消費者の甘さ離れや野菜飲料に比べて栄養価値が浸透していないことを背景に低迷する果汁飲料市場で善戦する紙容器カテゴリーに着目して、昨年2月にリキャップ可能な330ml紙容器入り「オレンジ温州みかん」を数量限定で発売した。
「オレンジ温州みかん」は、オレンジ果汁と温州みかん果汁を絶妙な配合でブレンドした中味設計に加えて、みかんのどこか昔懐かしい味わいをひきたてることを目的に採用した昭和レトロデザインのパッケージが特徴。
この中味とパッケージは昭和世代の40代のユーザーから好評を博し同社予定よりも前倒しで完売した。
小型紙容器の100%果汁という隙間市場に開拓の兆しがみえはじめたことから10月11日に再発売された。
「オレンジ温州みかん」を取扱ったコンビニ大手からは、同商品が売上げに貢献したとし2022年度ベストパートナー賞として感謝状が届いたという。
この流れを引き継ぎ1月3日には第3弾の「青森りんごミックス」(税込み178円)が全国展開するコンビニ大手で数量限定発売された。
同商品は、昭和レトロデザインのパッケージを引き継ぎ「オレンジ温州みかん」ともに小型紙容器の100%果汁を盛り上げていく。
中味について、取材に応じたエム・シー・フーズの手代木和人社長は、「青森県産リンゴを加えて、なつかしのほのかな酸味を感じさせるさわやかな仕上がりになっている」と胸を張る。
小型紙容器の100%果汁市場については「野菜系飲料や機能性を強化した低果汁飲料が多く存在する一方、100%果汁の商品は少ない。ちびだら飲み(=ちびちびだらだらと飲む)を好む傾向がある果汁のヘビーユーザーには、この容器・サイズが適しており、競合が少なくニッチな市場として活躍の場が残されている」と勝算を見込む。
国産果汁にも着目する。
「輸入果汁原料が高騰し国産果汁との価格差が縮まると、消費者ニーズの高い国産果汁の採用も選択肢に入ってくる。2023年も、得意とする輸入原料のみならず、国産の特徴ある果実を使った新商品を次々と投入する予定」と意欲をのぞかせる。
なお、第2弾の「マスカットミックス」は、昭和レトロとは一変したパッケージデザインを採用。マスカットのシズルを前面に押し出し高級感を打ち出し、予定していた限定数量を完売。パッケージデザイン変更での再発売も検討中。