アサヒ飲料は、果汁高騰を受けて果汁飲料ブランド「Welch’s(ウェルチ)」で価格以上の価値を伝えるプレミアムエントリー戦略を実行してブランドの成長を図っていく。
5月22日、取材に応じた岸夏希マーケティング本部マーケティング二部ブランド開発グループプロデューサーは「果汁が高騰する中で、価格以上に価値のある商品が求められる。『Welch’s』はぶどうのルーツを持ち、ぶどうの専門家として他のグレープジュースとは一線を画していることを伝えていく」と力を込める。

「Welch’s」は、非炭酸・ドライのぶどう飲料市場でトップシェアを握る。将来は、炭酸・チルドを含めたぶどう飲料トータル市場でNo.1の地位獲得を目指していく。
アサヒ飲料では「Welch’s」をチャレンジ領域と位置付けている。
「お客様に『ぶどう』と言ったら『Welch’s』を最初に想起していただけるようにグレープの強みを押し出していきたい」と意欲をのぞかせる。

価格以上の価値を訴求するフラッグシップ商品として、プレミアム商品「Welch’s PREMIUM YAKIMA」(200ml瓶)を開発。5月22日から24日までの3日間、東京ミッドタウン日比谷アトリウム(東京都千代田区)のPOPUPイベントで2500本を数量限定販売している。
同商品は、1本にぶどう4房分の果汁を詰め込んだもの。1本税別600円で販売している。1本ギフトボックス(税別900円)、2本ギフトボックス(税別1500円)も用意している。
「『Welch’s』はもともとお客様に高級なイメージを持たれているが、プレミアムを打ち出したのは『PREMIUM YAKIMA』が初めて」という。

商品名の「YAKIMA」は、米国ワシントン州・ヤキマバレーを指す。良質なコンコードグレープ作りに適した産地でワインの生産地としても知られる。
ヤキマバレーは、Welch’s契約農園の1つで、日照時間が長く昼夜の寒暖差が大きいことから高糖度で渋みが少ないグレープが育ちやすい環境にあるという。
「日照時間が長いと糖分がぶどうの中にたまり、昼夜の寒暖差が大きいと夜にぶどうが休めて甘さ引き立つ酸味が生まれる。このバランスで良質なコンコードグレープが生まれる」と説明する。
「PREMIUM YAKIMA」に使用されるのは、「ヤキマバレー」収穫のコンコードグレープのみ。シングルオリジン商品となる。他の「Welch’s」グレープ商品は複数の農園のぶどうをブレンドして作られている。
びん容器を採用した理由については「ギフト市場やどのようなものが高価格帯として受け入れられているかを市場調査したところ、びん容器が多かった。200mlサイズの展開も多く、いろいろ検討した結果、やはりプレミアムにはびん容器がふさわしいと判断した」と説明する。
反響次第では市販のルートに乗せることも検討していく。今回は、「PREMIUM YAKIMA」で醸成されるブランドの世界観を他の「Welch’s」グレープ商品へ伝播させる。
既存のグレープ商品は3品。
主にスーパー・量販店に導入されている「Welch’sグレープ100」(800g)のほか、一部コンビニやスーパー・量販店に置かれる「Welch’s飲む果実 1房分のぶどう」(470ml)、自販機をメインチャネルとする「Welch’sグレープ50濃いぶどう」(280ml)を取り揃える。
「『PREMIUM YAKIMA』では1本でぶどう4房分と驚きをもたらすコミュニケーションをSNSで展開している。通常商品においても大容量の『Welch’sグレープ100』には1本にぶどう12房分、『Welch’s飲む果実 1房分のぶどう』には1本にぶどう1房分詰まっていることを新たに伝えている」と語る。
5月26日から期間限定発売される新商品「Welch’sスパークリング赤」は、炭酸飲料の夜の飲用シーンを狙う。「ソフトドリンクは子供っぽくて気分が上がらない」「ノンアルコールドリンクの雰囲気は欲しいけれどお酒の味じゃなくていい」という声を受け、果実感と上品な味わいを両立させた。夜のテーブルを華やかに演出するスパークリングドリンクとして訴求していく。
「Welch’s」ブランドは、1869年に誕生し今年で157周年を迎える。
トーマス・ブラムウェル・ウェルチ博士が未発酵のワインを発明したことが誕生の契機となった。
現在、世界50カ国で展開し、厳選した原料を100%家族経営の契約農家から調達し続けている。
収穫したぶどうは8時間以内に搾汁することを徹底。搾汁された果実は低温で2カ月以上貯蔵される。自然に酒石(しゅせき)を沈殿させることで、ぶどう本来の果実実、素材に近い味わいに仕立てている。



