サントリーウエルネスは長年にわたる研究で培った科学的根拠を生かしたサプリメントや化粧品を、通販チャネルを中心に展開している。品質の高さと顧客に寄り添ったフォローアップには定評がある。25年1月に社長に就任した栗原勝範氏にシニアへのアプローチや戦略について聞いた。
――今期の施策は。
栗原 当社では商品戦略を一丁目一番地としている。その中核が商品開発と商品ポートフォリオの強化だ。お客様との絆を強固にするために打つべき手を着実に打っていく。4月には肌のバリア機能を訴求する「WELL CERA(ウェルセラ)」を発売した。最大の強みであるロコモカテゴリーでは、新たに「ロコモア」顆粒タイプを追加して選択肢を広げている。そして直近では、サントリービバレッジ&フードとともに“飲むサプリ”として「ロコモアウォーター」と「セサミン1000」を送り出した。当社のサプリの世界観を飲料という形態で手軽に感じていただける商品だ。
――将来的な顧客アプローチの考え方は。
栗原 現在の当社のお客様の多くは団塊世代だが、その先を考えると、団塊ジュニア世代である50代、60代へのアプローチも進めなければならない。団塊世代が50代の頃から利用していた商品の価値を団塊ジュニア世代にもしっかりと伝えたい。
団塊世代へのコミュニケーション手段は、テレビや新聞などによる広告展開が中心。団塊ジュニア世代には、過去とは異なったコミュニケーションが必要になる。これまでの主要媒体を使った展開に力を入れつつ、団塊ジュニア世代に向けた新たな媒体による訴求も進めていきたい。当社にはデジタル部門の人材も多く在籍している。デジタルとアナログをいかに融合させるかということが今後の経営の大きなテーマになる。そのための投資も進める。
――シニアライフについて思うところは。
栗原 当社のミッションは、「人生100年時代におけるシニアステージの豊かな生活文化を提案していく」。世間のシニアという言葉のイメージをポジティブで明るいものにしたい。上の世代が元気にウェルネスな生活を謳歌していれば、その下の世代の意識も変わるはず。年齢を重ねることは悪いことではないという前向きな社会の実現に向けて、我々も挑戦を続けたい。
――その理念はBe supporters!(Beサポ!)にも表れている。
栗原 Beサポ!はJリーグや自治体、高齢者施設と進めている参加型のプロジェクトだ。サッカーの応援を通じて、日頃は「支えられる側」にいる方々に、今度は誰かを「支える側」になってもらうことを目指している。施設にいるシニアの皆さんが地元のサッカークラブのサポーターになることで、心からワクワクするような前向きな気持ちを取り戻してほしいという想(おも)いからスタートした。参加したシニアの方々は、普段は施設のテレビの前で熱い声援を送っているが、時にはスタジアムのお祭りのような熱気の中で直接エールを届けることもある。
応援を通して、たくさんの感動的なストーリーが生まれており、Beサポ!ではそれを「人生100年時代の物語大賞」として形にしている。表彰式に駆けつけてくださったJリーグ初代チェアマンの川淵三郎さんが、皆さんの姿を見て「感動に涙が止まらない」と言ってくださった時は、私たちも胸が熱くなった。
――市場競争に勝ち抜くために必要なことは。
栗原 確かな品質の商品をお届けすることが一番大切だ。当社はお客様からの信頼に応え続け、トッププレーヤーと呼ばれるまでに成長した。自社の研究所などでの長年の研究成果に基づき、高い品質とエビデンスを確保した商品を提供している。当社のメーンチャネルである通販は、サプリにはこれ以上ないほどフィットしている。サプリを安心して続けていただくためには、お客様とダイレクトにつながることが欠かせない。日々のコミュニケーションの中で個々のお客様に寄り添い、その時々の健康状態に応じてアドバイスするという、丁寧なフォローアップ体制が当社の目指すビジネスだ。このバリューチェーンが高品質なものであれば、結果はついてくる。



