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今年発売50周年を迎える「ハッピーターン」は誕生時から変わらぬ設備で生産 不具合を起こす前の予防保全を徹底 亀田製菓

 亀田製菓の水原(すいばら)工場(新潟県阿賀野市)は1971年の操業開始以来、操業時に導入した設備を今も活用してロングセラー米菓「ハッピーターン」などを生産している。

 「ハッピーターン」は同工場で誕生し今年発売50周年を迎える。

植木和人生産本部水原工場長(右)と齋藤威光製造2課長
植木和人生産本部水原工場長(右)と齋藤威光製造2課長

 次の100周年に向けて、4月23日、同工場で取材に応じた植木和人生産本部水原工場長は「実は50年前の機械をずっと大事に使っている。しかし、この先の50年も機械がもつとは到底思えない。新しい技術を導入しながら、いかに皆さまに愛されている『ハッピーターン』を安定的かつ継続的に生産していくかが課題」と語る。

 同社では、水原工場を含む全3工場で不具合を起こす前の予防保全を徹底。故障の有無を問わず、機械の部品の交換時期が生産計画に組み込まれている。

洗米機で洗米されたうるち米
洗米機で洗米されたうるち米

 齋藤威光製造2課長は「故障する前に修理や部品交換するところがポイント」と説明する。

 壊れにくい機械の骨格をそのままに、傷みやすい中の部品を定期的に交換することで常に新しい状態を維持しているという。

 将来は骨格部分の刷新に踏み込みエネルギーロス削減などを検討していく。

 「一般的に米菓はエネルギーを膨大に使用して製造される。エネルギー使用量が多く、その削減にあたっては1工程だけでなく、前工程から見直さなければならず総入れ替えのイメージでやらないといけない」と植木工場長は述べる。

水原(すいばら)工場で生産される商品
水原(すいばら)工場で生産される商品

 水原工場では「ハッピーターン」を生地の仕込み・焼きなどの仕上げ・包装を一貫製造。レギュラーの「ハッピーターン」のほか「パウダー250%ハッピーターン」「ハッピーターン スパイス」「パウダー250%ハッピーターンスパイス」を一貫製造している。

ふるいにかけてきめ細かな米粉にされる様子
ふるいにかけてきめ細かな米粉にされる様子

 「減塩ハッピーターン」などは、水原工場で仕込んだ生地を亀田工場(新潟県新潟市)に供給し味付け・個包装・パッケージ化される。

 「ハッピーターン」の生地の仕込みは、洗米したうるち米を製粉し繰り返しふるいにかけてきめ細かな米粉にするところから始まる。

蒸練機から作られるもちもちの団子
蒸練機から作られるもちもちの団子

 製粉後、米粉にでん粉と水を加え蒸練機で蒸して練り上げられ、もちもちの団子が作られる。蒸練機の製造能力は1度の蒸練で約300キロに上る。

 蒸し上がった生地は練り機で生地に空気を入れた後、のし機でシート状に薄くのばし、ハッピーターンの形をした金型で抜いていく。パウダーポケットはこのタイミングで作られる。

型抜きされた生地
型抜きされた生地

 乾燥工程は、型抜きされた生地から余分な水分を取り除くため、2段階で行われる。最初にコンベア式乾燥機で整列した状態でゆっくりと乾燥した後、さらに乾燥する。

 乾燥された生地は、整列機で並べられ焼き窯(ガスオーブン)に入り、鉄板を用いた特別な焼き方でサクサク軽快な食感に仕立てられる。

焼き窯(ガスオーブン)の様子
焼き窯(ガスオーブン)の様子

 焼き工程では熱がかかりすぎないように日々調整が行われている。

 「入社当時、『煎餅は生き物だ』と上司に言われたことがある。実際、気温の変化であったり、お米の産地であったり、いろいろな条件によって毎日変わる。毎日どころか、時間によっても変わってしまう本当に生き物のような製品。しっかり安定したものを出すためには、選別や検品など目視を要する作業が欠かせない」と指摘する。

味付けされた生地
味付けされた生地

 素焼きされた生地は、ドラムの中でハッピーパウダーとハッピーオイルがかけられて味付けされる。

 水原工場では、阿賀野市内の小学生を対象に社会科授業を受け入れている。味付けのエリアでは、素焼きされた生地とハッピーパウダーを用意して試食の時間も設けている。

 

素焼きされた生地とハッピーパウダー
素焼きされた生地とハッピーパウダー

 ここでは素焼きとの食べ比べやハッピーパウダーを好きなだけ盛り付けて食べることもできることから好評を博しているという。

 味付けされた生地は、キャンディ包装か直接袋詰めされる。

キャンディ包装
キャンディ包装

 キャンディ包装は、味付け後、再び整列された生地をシートで包み回転させることでキャンディタイプへと個包装するもので、1分間に約270個が個包装される。その後、決められた量を大袋に封入し完成する。

 水原工場では、2016年から2019年の3年をかけて建屋を段階的に改修して耐震や防虫対策を強化した。

ベルトコンベアで運ばれる大袋商品
ベルトコンベアで運ばれる大袋商品

 水原工場では、製造1課で「海老のりあられ」や「ソフトサラダ」などを生産し、製造2課で「ハッピーターン」や「手塩屋」などを生産している。

 このうち「海老のりあられ」は、もち米を主原料とする米菓となる。水原工場は亀田製菓の中で唯一もち米の生地ラインを兼ね備えている。

原料米
原料米

 「堅ぶつ」ももち米を主原料とする米菓で、水原工場で仕込んだ生地を白根工場で揚げて製造されている。

 「うるち米の米菓の生産には一番短いもので6時間かかり最長で3日間要し、もち米の米菓は最短で3日間、最長で7日間要する。もち米の米菓は、製造フローについては形状を固定させるため冷蔵が加わり、非常に時間がかかる」という。

 

直売所併設の水原工場の厚生棟(左)と製造棟(右)外観
直売所併設の水原工場の厚生棟(左)と製造棟(右)外観

 水原工場の敷地面積が4万5035㎡で東京ドームと同規模。敷地内には製造棟は計5棟(1~4棟、東工場)が立地する。

 従業員数は約350人。このうち正社員が8割弱を占める。平均年齢は41.8歳。40代以上の構成比は約50%。生産体制は3交代勤務・24時間稼働。

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