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東北に寄り添う菓子卸・関口 東日本大震災では使命感から菓子物流を堅持 病院からも感謝の声

 菓子卸の関口は1973年、東北一号店として郡山営業所(現・郡山支店)を開設して以来、50年以上、東北に寄り添い着実に業績を伸ばしている。

 「お菓子を配荷してお菓子を広める」という菓子卸の存在意義に重きを置き、この姿勢は15年前に発生した東日本大震災の有事の際にも徹底された。

 2011年3月11日の震災発生後、週末に被災した倉庫を立て直し、3日後の月曜日には出荷に漕ぎつける。

 3月4日、「令和8年 東北エリア春季大見本市商談会」で取材に応じた関口快太郎社長は「当時は有事の際のマニュアルなどは何もなく、当社が運ばなければ、みなさまにお菓子を食べていただけなくなるという責任感・使命感だけで運び続けた」と語る。

 多くのメーカーが商品を供給し続けたことも関口の活動を後押しした。当時不足していたガソリンについては、運送会社の協力を得て軽油の提供を受ける。

 仙台支店の清野幹夫相談役は「運送会社の方に助けられ、社用車が毎日、倉庫がいっぱいになるくらい軽油を受け取らせていただいた。メーカーさまにも相当数の商品を出していただき、とても助けられた」と改めて感謝の意を表する。

 システム障害により伝票発行は手書きで行った。

 「亡き快流(かいりゅう)会長から言われたのは『お客様は恐らく先の見通しが立たず商売をこのまま続けてよいのか迷われているはずで、お客様のところを回り、関口は最後まで応援するから商売を継続してほしいと伝えてこい』ということだった。『支払いのことは一切言わないでほしい』とも言われた」と振り返る。

 菓子は基本、嗜好品でありながら、有事の際、ライフラインが維持された後は、ストレス緩和や心のくつろぎにも寄与する必需品になりうる。

 実際に「病院の院長さまからも『入院患者がお菓子を食べていろいろ気を紛らわせることができた』といった内容のお礼の手紙をいただいた」という。

 ホームセンターからの新規要請にも対応した。

 関口社長は「被災地での支援活動や復興活動に向かわれる方々が朝早く利用され、その際に手に取っていただけるようにお菓子を並べさせていただいた。このようにして当社を頼ってくださったお客様が今の当社の成長につながっている」と語る。

 関口の業績は2011年以降に加速した。前期(3月期)売上高は前々期比7.5%増の265億円。

 今期、2025年4月から26年1月の売上高の伸びは、前年同期比8.07%増。エリア別では関信越が5.5%増、東北が10.2%増となった。

 東北の拠点別では、郡山支店17.4%増、山形支店17.1%増、仙台支店4.9%増、盛岡支店2.29%増、秋田支店13.9%増、青森黒石支店5.7%増、札幌支店193%増を記録した。

 流通菓子卸市場は東北エリアで1468億円、北海道エリアで801億円と推定される。

 「東北エリアでの当社2025年一年間の納品金額は約160億円に達し、ようやくシェア10%を超えるようになった。東北・北海道の最終的な目標はシェア20%。まだまだ先は長いが、各支店がワンチームになって目標達成へと活動していきたい」と意欲をのぞかせる。

 今後、取り巻く環境で懸念されるクマの出没やサイバー攻撃にはBCPを策定する。

 「特に何らかの災害や感染症トラブルなど被害に遭ったときに慌てずに対処できるような指針を定めておく」と説明する。

 二季化や長引く夏への対応としては「メーカーさまとともに売場づくりを考えていきたい」との考えを明らかにする。

 なお「令和8年 東北エリア春季大見本市商談会」には、春季としては過去最多の118社が出展。来場客数も過去最多規模の280社500人に上ったとみられる。

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