8.2 C
Tokyo
7 C
Osaka
2025 / 12 / 04 木曜日
ログイン
English
流通・飲食中食・惣菜もずく×キムチで客層拡大 わかめの削ぎ芯をアップサイクル カネリョウ海藻が秋季新商品
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

もずく×キムチで客層拡大 わかめの削ぎ芯をアップサイクル カネリョウ海藻が秋季新商品

カネリョウ海藻(熊本県宇土市)は、もずくとめかぶの新商品で市場活性化を図る。

赤ピーマンと唐辛子の輪切り入の「美(ちゅ)らもずく キムチ」は、春先から秋頃に需要が高まる「もずく」に、年間を通して一定の需要がある「キムチ」をかけ合わせた。8月6日に都内で開いた発表会で、マーケティング本部の山本有人部長は「キムチは、海藻よりも若く、海藻離れが懸念される層が購入している」と語った。「もずく酢」以外の食べ方を提案して売上の安定化と海藻離れの防止を狙う。30g×3段、想定売価238~258円。8月20日製造分から順次出荷する。

一方、めかぶは三陸産の2年連続不作で原料価格の上昇が課題となっている。小売・外食向けに値上げしたが「毎日召し上がる方も多く、買い控えが見られた」(山本氏)。

マーケティング本部・山本有人部長(カネリョウ海藻)
マーケティング本部・山本有人部長(カネリョウ海藻)

新商品の「ねばとろ茎入めかぶ 醤油味」ではコスト低減を目指して、わかめの部位で最も硬く、削ぎ工程後に処分されていた「削ぎ芯」を活用した。食べやすく加工してコリコリとした食感に仕上げて、フードロス削減と原料不足対策も同時に図っている。35g×3段。想定売価198~238円。8月後半から店頭に並び始める。

食品以外でも、海藻由来の保湿成分や抗炎症成分を加えたモイスチャークリームを発売し、食品にとどまらない海藻の有用性を訴求する。「海藻の可能性を感じてもらいたい」(山本氏)。

モイスチャークリームの「sea treat」
モイスチャークリームの「sea treat」

また、今年から「海ぶどうプロジェクト」として海ぶどうの陸上養殖専用工場の運転をスタートした。すでに一部へ納品しており、年内に4トン以上の出荷を目標とする。

4月に実施した「第二回 もずく川柳コンテスト2025」では、応募総数が1万句を超えた。学校編で最優秀校に輝いた和歌山県立日高高等学校中津分校には賞品(もずく10年分)を直接届け、出張授業も実施して海藻への理解促進を図った。

さらに、8月4日にオープン2周年を迎えた海藻セレクトショップ「OKAGESAMA MOBA」は売上前年比30%増で推移している。2周年記念に、使用済みの漁網を素材に用いたハンモックのアート作品を、新たなフォトスポットとしてテラスに設置。来店客が漁業に思いを巡らせるきっかけづくりを意図した。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点