11 C
Tokyo
14.4 C
Osaka
2026 / 02 / 26 木曜日
ログイン
English
飲料系飲料サクラ食品工業 藤原拓社長 紙容器の水が好調 環境志向とインバウンド需要獲得へ 品質レベル向上も
KNOWLEDGE WORK 20260303

サクラ食品工業 藤原拓社長 紙容器の水が好調 環境志向とインバウンド需要獲得へ 品質レベル向上も

サクラ食品工業(本社・大阪府吹田市)は紙容器入りのミネラルウォーター、「京乃水(きょうのみず)」シリーズの4本セットを発売した。一昨年の「清流咲良之舞」に続き、昨年は「清流咲良納涼図」「清流咲良秋風」「清流咲良酉のまち」を季節ごとに投入。春夏秋冬が揃ったことから4本を詰め合わせ、主に土産物として販売する。アセプティック(無菌包装)紙容器の商品を製造することで、「より高い品質レベルを誇る会社になる」と藤原拓社長は力を込める。

  ◇  ◇

――紙容器のミネラルウォーターを商品化した経緯を教えてください。

藤原拓社長
藤原拓社長

藤原 2020年に竜王工場(滋賀県竜王町)を新設し移転する際、コーヒーシュガーの事業から撤退した。会社として夢を持ち続けるために、既存のポーションとゼリー以外に何か新しい事業に取り組みたいと考えていた。ちょうど、資本関係にあるニュートリー社から、テトラパックを使った事業を提案された。

当社でも自社商品を開発することとなり、ミネラルウォーターの市場を調査した。水の市場自体はレッドオーシャンだが、紙パックには環境の面からまだ大きな可能性があるのではないかと考えた。

すでにG7広島サミットと大阪・関西万博の開催が決まっており、コロナが明ければ再びインバウンドも増えると想定された。日本に比べ海外の方が環境問題への意識が高いという実感もあり、環境とインバウンドに特化した商品作りを目指した。
 
――パッケージに浮世絵を描いたのも、そのためですか。

藤原 水は京都・伏見のものを使っており、パッケージにも日本らしい価値を付けたいと考えた。この商品を通し、日本の文化を世界に発信したいという思いがある。絵師の石川真澄さんにお願いしたところ、商品パッケージを描くのは初めてと言われたが、われわれの思いに共感し引き受けてもらえた。

春夏秋冬4つのイラストには、それぞれ花鳥風月と縁起物、当社のロゴ「SKR」の隠し文字が入っている。
 
――販売から2年が経ち、これまでの手応えは。

藤原 市販用の市場では、その付加価値を理解してもらうのがとても難しいと感じている。

現在は外国人観光客の多いホテルや空港、港などの土産物店に力を入れている。われわれは、これを“製品”ではなく“作品”と考えている。外国人の方が飲んだら、ぜひ作品として自国に持ち帰ってもらいたい。

実際、導入されたホテルでは持って帰る人が多く、ペットボトルの時に比べゴミが減り部屋の清掃が助かっているという。

G7サミットでは、会談するウクライナ・ゼレンスキー大統領の前にこの水が置いてある写真がニュースで使われ、注目された。今回の万博でも、会場内のコンビニ店舗で大陳されており、さらに多くの人の目に留まると期待している。

この水はアセプティック、つまり無菌包装で作られる。無菌の状態で充填するので、オペレーションにも非常に高いレベルが求められる。その感覚を身につけた人たちが、ポーションやゼリーといった既存のラインに入ることで、より高い品質レベルを誇れる会社になる。そのことを非常に重要視している。

現在、アセプティック紙容器はOEMを含めて、年間製造数の増加に最注力している。
 
――既存商品の動向は。

藤原 ポーション事業が好調を維持している。90%以上がOEMで、主にコーヒーと鍋用調味料を製造する。30年近くこの事業に携わっているが、これまで景気が不安定な時は節約しようと外でコーヒーなどを飲むのを控える傾向があり、家で飲めて買い得感のある濃縮タイプのポーションが伸びた。現在もいろいろな意味で、同じような状況にあると感じる。

環境面での寄与も大きい。例えば5倍濃縮のポーションを使えば、その分、物流面でCO2削減のメリットもある。環境と景況感から注目される商品だと考えている。

顧客要求に対応するため1月に大型投資を実施した。生産能力の拡大と生産性向上を重視した今回の投資により、様々な改善に取り組みたい。

関連記事

インタビュー特集

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。

繋げる、繋げる、繋げる たこ焼きコミュニケーション足掛かりに TKO・木本武宏さんが次のフェーズへ

STUDIO TAMUROはお笑いコンビ「TKO」木本武宏さんの活動拠点。木下さんの実妹・大岡真裕美さんが代表を務める「オフィスTAMURO」が運営し、トークライブや、YouTube番組作成スタジオとして利用してきた。昨年5月からは新たな活動として、毎月3日だけ営業する「たこ焼き店」がスタートした。

SST=“サミットの仕事が楽しい”へ 新たな競争軸を作る 服部哲也社長

――中期経営計画の進捗はいかがですか。― 服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。