業務用冷凍食品が主力の日東ベストは、上半期(4~9月)は価格改定の影響による販売数量減少や諸コストの上昇で増収減益となったものの、下期は25年1月発売予定の新商品を前倒しで投入するなど市場のニーズに合わせた提案を強化、業績の回復を目指す。
また今期スタートした中期経営計画「Reborn&Growing 2028」のもと、塚田莊一郎社長は「『冷凍食品事業の立て直し』と『畜肉のベストの復活』を推進していく」との方針を改めて示した。
上期の連結業績は売上高273億1500万円(前年同期比2.3%増)、営業利益200万円(同97.8%減)、経常損失900万円(前年同期・経常利益1億5500万円)、中間純損失4000万円(同・中間純利益8400万円)。
売上のうち主力の冷凍食品部門は211億6900万円、1.9%増だった。業態別にみると、給食分野が3%増。学校向けはコメ価格上昇の煽りでデザートが苦戦するも、病院・施設向けは7%増と堅調。最もウエートの大きい総菜分野は2%増。トンカツで大口ユーザーへの対応やヒレカツの拡充などがプラス要因となった。外食分野は前年並み。インバウンド需要などを見込んだが計画に届かなかった。
今年立ち上げた市販専用ブランド「エーデルシェフ」の進捗について、渡邉昭秀取締役常務執行役員は「ボリュームはまだ大きくないが、秋発売の『ゴツゴツ食感鉄板焼ハンバーグ』はドラッグストアなどに配荷され好評。先行した牛丼などとともにさらなる拡販を図る」。
他カテゴリーは日配食品が45億400万円、3.4%増、缶詰部門等は16億4100万円、4.3%増とそれぞれ前年を上回った。
下期は従来にも増して新商品を積極的に投入し巻き返しを図る。今秋は業務用卸企業の展示商談会に来年1月発売予定だった新商品を多数出品し、ユーザーの要望があれば前倒しで出荷している。塚田社長は「ハンバーグ、ソーセージ、焼そば、カップデザートなど約60品を対象に展開。市場のニーズを見ながら積極的に提案していく」。
25年3月通期の業績予想は売上高560億円(3.2%増)、営業利益6億円(18.9%増)、経常利益6億円(9.9%増)、純利益4億5000万円(9.3%増)。
一方、大沼一彦会長は足元の状況について「24年は原料費や物流費などすべてのコストが上昇し、大変厳しい経営環境だった」とした上で、「25年は十二支で『巳(み)』年となるが、当社も現状から脱皮し中期経営計画で描いた成長軌道に戻していきたい」と展望した。