「海苔」を学ぶ食育授業 山本海苔店 小学校で初開催

山本海苔店は11月6日、東京都中央区立月島第二小学校で生徒100人超に食育の出張授業を行った。同社初の試みで、海苔の生態や加工方法などの基礎知識に加えて、自社製品を使った食べ比べも実施。学童期から海苔に興味を持つきっかけを作った。

食育の出張授業は山本海苔店にとって今回が初めて。営業推進グループ・綿引佑香奈氏が「若年層に海苔の知識を持たない人が増えている。学童期のうちに海苔のことを知ってもらいたい」との考えから企画を立案。実施先を探す中、同じ中央区にある月島第二小学校での取り組みに至った。

「山本てんちょう」のぬいぐるみを手に授業を行う綿引佑香奈氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「山本てんちょう」のぬいぐるみを手に授業を行う綿引佑香奈氏

同校では銀座の日本料理店をはじめ、食品以外の企業による出張授業も積極的に実施しており、今回の授業は中央区にある企業を学ぶ地域学習の一環でもあった。伊藤真吾校長は「地元企業の取り組みを知り、地域への理解を深めてもらいたい。食卓に並ぶ食品への理解も促したい」と授業への期待を述べる。クラス担任からは「苦手な食べ物を残す生徒が、食品への興味を持つきっかけになってほしい」との希望も聞かれた。

授業を受けたのは3年生の100人超。40分前後の授業を3クラスに分けて実施し、綿引氏が講師を務めた。内容は、まず海苔の誕生から生産、仕分、加工を経て食卓に並ぶまでの流れを概説。次に、3大うまみ成分や食物繊維、葉酸など、海苔に含まれる栄養素とそれらの機能を説明した。

2種の海苔を比べてみる - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
2種の海苔を比べてみる

企業紹介では、味付海苔を発明した老舗であり、宇宙食にも採用された実績をプレゼン。昨年名前が決まった公式キャラクターの「山本てんちょう」は、かわいらしい見た目もあいまって生徒たちに人気を博していた。

食べ比べで用意したのは焼海苔2種と味付海苔。子どもたちは「色が違う」「甘みがある」など、加工方法や収穫時期で異なる味わいへの理解を深めていた。