11.8 C
Tokyo
13.1 C
Osaka
2025 / 12 / 21 日曜日
ログイン
English
トップニュース業務用冷凍食品 高品質・簡便性を追求 課題解決に新商品を積極提案

業務用冷凍食品 高品質・簡便性を追求 課題解決に新商品を積極提案

業務用冷凍食品メーカーは、外食・ホテルなどの業態で深刻化する人手不足を背景に、オペレーションの軽減とおいしさの両立が求められている。加えて、提供現場で一連のコスト上昇が重荷になっており、単価アップに貢献できるかもポイント。業態別ではインバウンドで活況を呈するホテルビュッフェ向けの提案強化が目立つ。

外食、ホテルなどの業態は人手不足が深刻だ。とくにコロナ禍以降は調理従事者や店舗スタッフが他の業界に流出し、行動制限が緩和されてからも戻っていない。帝国データバンクによると、業種別の人手不足割合(24年4月)は正社員で2位「旅館・ホテル」、10位「飲食店」、非正社員で1位「飲食店」、2位「旅館・ホテル」となった。

また原材料価格や光熱費・人件費の高騰も進行。現場のコスト削減ではカバーし切れず、「オペレーションの軽減とおいしさの両立が強く求められている。なかでも付加価値が高く、メニューの単価アップにつながる商材へのニーズが強い」(有力メーカー)。

ニチレイフーズは、手作りと同等のおいしさを目指した「究極の唐揚げ」が好調。これまで冷凍食品の導入が少なかったゴルフ場やレジャー施設など新たな業態での採用も進む。「この品質ならメニュー化したい」との評価が多いという。今秋は「ブロスハンバーグ」を投入。専門店品質を追求しており、簡便に高単価メニューを提供したいゴルフ場、スキー場などの需要を見込む。

各社はオペレーション軽減を前面に訴求した商品にも注力。マルハニチロの「出来立てキッチン」シリーズは、袋詰めされた素材と調味液を温めるだけの簡便調理が特長。「芋がごろっと!肉じゃが」などの人気メニューを揃える。今秋は新商品でノンプリフライ「サクッと食感!かぼちゃ天ぷら/れんこん天ぷら」を発売。プリフライ工程を省き、自家製の揚げ玉をパン粉のように付け、見た目とサクサクした食感にこだわった。

ニッスイは節約・簡便・効率的をコンセプトに「E調理」シリーズを立ち上げ、和洋中の総菜などを展開、好評を得ている。今秋は優しい味わいの「さといも旨煮」、具とソースがセットになった「えびチリ」を追加。

「シェフが仕上げる ベースキッシュ」(味の素冷凍食品)
「シェフが仕上げる ベースキッシュ」(味の素冷凍食品)

味の素冷凍食品は、かねてよりホテルビュッフェ向けの提案に注力。「フレック スペシャリテ」ブランドのスイーツで「フリーカットケーキ」「カット済みケーキ」などを提案する。「シェフが仕上げる」シリーズは、厨房での調理工程を大幅に削減しつつ、シェフのこだわりを生かせることが特長。今秋は使い勝手の良い「ベースキッシュ」をラインアップ。

テーブルマークは、デザートのフリーカットケーキで「ガトーバナーヌ」などを新発売。注力する焼成冷凍パンではアレルゲンに配慮した「黒糖ロール」などを給食・介護施設に提案する。

業務用専業メーカーでは、ホテルやレジャー施設などビュッフェ向けの訴求を強化。日東ベストとヤヨイサンフーズは専用のパンフレットなどを新たに用意し、自然解凍の総菜やデザートなどの紹介に乗り出している。

関連記事

インタビュー特集

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。