岩塚製菓は米菓の輸出を手探りで進めている。2023年12月、ハワイへ米菓の輸出を開始し、現地では7ドル前後で販売されている。
商品名は「BEIKAMOCHI」。ラインアップは以下の6品。日本の主力商品を大袋に詰め合わせた。
ーー「Black Bean(岩塚の黒豆せんべい)」
ーー「Teriyaki(田舎のおかき ざらめ味)」
ーー「Kinako(きなこ餅)」
ーー「MameMochi(大袖振豆もち)」
ーー「Butter(塩バター餅)」
ーー「SeaSalt(黄金揚げもち)」
ハワイへの輸出は飛躍フェーズと位置付ける25年度からの次期中期経営計画に盛り込まれる「海外に通じる米菓作り」と「米菓輸出の本格化」への一歩となる。
遮光性の高いアルミ包材を開発し賞味期限を1年に延長したことで輸出に踏み切った。
3月14日取材に応じた槇大介社長COOは「輸出には賞味期限が足りずこれまで意図的に行ってこなかったが、当社が関与しない形で海外に販売され賞味期限切れギリギリの商品が並べられることがあった」と振り返る。
この課題に対応するため昨年、海外事業部を新設し、1年間おいしさを保持できる商品の開発に漕ぎつけた。
海外は添加物などの規制が厳しい中、中身においては国内商品のスペックを変更することなくそのまま輸出。同社は「米・技・心」を掲げ、原材料においては国産米100%にこだわり、国産米の中でも香り立ちがよりよいとされる自宅でも食べられる飯米と同等のお米を使用している。
パッケージにもこだわり、表面には五円玉と稲穂をイメージしたデザインにし、裏面には創業者のものづくりへのこだわりを記載している。
今後の展開については「まずはハワイの状況をみていく。ハワイの展示会ではサクサク感が好評だったと聞く。随分先になると思うが、まずはしっかりニーズのあるお客様のところにお届けし、じっくり腰を据えて行っていく」との考えを明らかにする。
なおアジア圏では、業務提携を交わし技術提供している台湾の旺旺グループが米菓を販売。今後、共同出資したベトナムの工場が稼働し、岩塚製菓から技師を派遣しアジア市場の一層の開拓を図る。
日本では旺旺・ジャパンのグミが絶好調で、旺旺・ジャパンの売上高は右肩上がりに成長している。前年売上高については8億9400万円にのぼる。