ハチ食品(年商145億円、24年3月期見込み)は、24年4月1日付で山口県防府市のMCエフディフーズ(年商25億円)を100%子会社とし、FD(フリーズドライ)市場に参入する。MC社の現在の親会社三菱商事ライフサイエンスから取得する。取得額は非公表。今後は相互の販路による販売などでシナジー創出を図る。
MC社は、FDの味噌汁やスープなどを製造・販売し、特に大手流通などのPB受託品が多く、ハチ食品が強化したい関東地区の顧客が多い。高橋慎一社長は新たなFD事業は「大きな戦略的意味を持つ」と強調。「両社の販路があまり被らない。弊社にとってはほとんど新規顧客となる」とし、FDをきっかけに主力のレトルトのカレーやパスタソースなどの拡売も図っていく。また、23年10月には関東地区の物流増に伴い、自社の関東物流センターを埼玉県に開設している。
さらに、ハチ食品の現在の工場は、長野県の信州駒ヶ根工場、兵庫県には兵庫工場と宍粟工場があり、これにMC社の山口県の工場が加わる。MC社の敷地内には、新たな工場建設の余地もあり、現在は「新たな生産拠点拡大構想を練っている」とし、生産品目は「FDやレトルトに限らず検討していく」としている。
高橋社長は三菱商事ライフサイエンス出身。