11.9 C
Tokyo
9.9 C
Osaka
2025 / 11 / 04 火曜日
English
加工食品菓子カンロ、過去最高益を更新 飴とグミの売上拡大で
〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

カンロ、過去最高益を更新 飴とグミの売上拡大で

 カンロは8日、前期(12月期)業績を発表し、全段階利益で過去最高を更新したことを明らかにした。

 前期業績は、売上高15.5%増の290億1500万円、営業利益75.3%増の33億8800万円、経常利益71.5%増の34億3200万円、当期純利益82.9%増の24億6200万円を記録した。

 過去最高の増益要因は売上拡大にある。

 この日発表会に臨んだ阿部一博取締役常務執行役員CFOは「トップライン(売上高)と工場の稼働率が上がり、生産効率が向上したことが非常に大きい。原材料価格の上昇は継続し、変動比率は増加しているが、大幅な生産増加による限界利益の増加で吸収し大幅な増益を実現した」と説明する。

8日発表したカンロの村田哲也社長(左)と阿部一博取締役常務執行役員CFO
8日発表したカンロの村田哲也社長(左)と阿部一博取締役常務執行役員CFO

 売上高はここ数年、「中期経営計画2024」策定時の想定を超えて、大幅に伸びているという。

 前期の増収は、人員増強を含めて生産体制を整備したことで飴とグミが需要増に対応したことに加えて価格改定が後押した。

 飴の前期売上高は、のど飴ブランドが牽引して12.1%増の150億4600万円。
 のど飴は、新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大以降、高まる需要を取り込んだほか、花粉飛散量の拡大やマスクレスによるセルフケア需要の高まりを受け大幅に増加した。

 グミの前期売上高21.2%増の132億9300万円。
 昨年発売20周年を迎えた主力ブランドの「ピュレグミ」がTVCMを展開するなどして29.4%増を記録。「カンデミーナグミ」はハード系グミのニーズに対応して15.5%増となった。

 なお、同社によるとグミ市場は拡大の一途を辿る一方、特に男性の喫食率が半分に満たないことから、今後も開拓余地を見込む。

 村田哲也社長は「『ピュレグミ』『カンデミーナグミ』が一番の大きな柱。『マロッシュ』にもチャンスがあり、このような主力ブランドを継続的に投資して育てていく」と意欲をのぞかせる。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点