アルファ米に「レンジ+」 特許技術で“レンチン“3分に進化 尾西食品

アルファ米などの長期保存食を展開している尾西食品は、アルファ米の新製品「尾西のレンジ+(プラス)」シリーズを8月25日から順次、スーパー、コンビニ、ホームセンター、ECなどで発売を展開した。

今年は関東大震災から100年の節目を迎える中、防災や備蓄が身近な課題となっており、近年は防災意識の高まりを受け個人向け需要が高まっている。そこで防災食を、よりおいしく便利に進化させ、防災食のポピュラー化を目指し「レンジ+(プラス)」を発売した。

都内で開いた発表会で古澤紳一社長は「当社は官公庁や自治体、企業向け備蓄商品のトップメーカーだが、近年は個人需要が増えている。これまで携帯おにぎりやカレーライスセット、「一汁ご膳」などを主に個人向けに発売した。特に東日本大震災以降、地震が相次ぎ、官公庁や自治体向けの売上よりも個人向けのほうが伸び率が上回り、4年で売上が2倍以上になった。現在、個人向けは全売上の約3分の1だが、今後は倍以上を目指し、カレーセットのような副食系を強化することで普段の食事に近づける」など方針を語った。

「尾西のレンジ+(プラス)」は、通常のアルファ米同様、お湯で15分、水で60分で食べられるが、電子レンジで調理すると注水後3分(500W3分30秒)、その後3分蒸らせば食べられる。しかも電子レンジで調理するとごはんの旨味や香り、食感がアップし、おいしさが増す。商品はバリア性、遮光性のあるフィルムに特殊チャックを付けた包材を使用(特許申請中)している。「調理の過程で米の表面に旨味成分がコーティングされるため、香りがよくなり、味も増す。電子レンジでは蒸気出しが必要だが、新製品は蒸気口が袋の中にあることがポイント」と伊藤秀朗取締役商品開発部長は仕組みを説明する。

(左から)古澤紳一社長、丸山桂里奈氏、本並健治氏、伊藤秀朗取締役 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
(左から)古澤紳一社長、丸山桂里奈氏、本並健治氏、伊藤秀朗取締役

一般的な非常食は、押入れに入れたまま、賞味期限が過ぎて捨てられたり、おいしくないイメージもあったが、新製品は簡単に調理ができ、レンジ調理することでおいしさがアップする。災害時も日常も、便利に美味しく備えやすいため、ローリングストックに最適だと言う。商品は五目ご飯・ドライカレー・チキンライス・赤飯・山菜おこわ。希望小売価格(税込)は五目ごはん、ドライカレー、チキンライス、赤飯は410円、山菜おこわは453円。

発表会には元サッカー日本女子代表でタレントの丸山桂里奈氏と元サッカー日本代表の本並健治氏夫妻が登壇し、新製品を試食しながら私生活での防災意識などについて話した。「防災には本当に興味があり、そのきっかけが尾西食品の『携帯おにぎり』」と丸山氏。「防災食や防災グッズを買い過ぎて8畳の部屋をつぶしてしまった」というほど防災マニアだ。

新製品を試食して本並氏は「お米がふっくらしてやわらかく、めちゃくちゃおいしい。非常食だが日頃から食べられるし、子どもの世話で忙しい妻のために作ってあげたい」と感想。丸山氏は「ふわふわ、もちもち食感でビックリ。非常食というと構えがちだが、レンチンで作れるなら一人暮らしや料理しない人にもおすすめ」など語った。

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