16.6 C
Tokyo
17.5 C
Osaka
2025 / 11 / 03 月曜日
English
加工食品健康・機能性食品「最適化栄養食」普及へ産学医連携の団体始動 イオン×セブン×日清食品が参画 ウェルビーイングに貢献
〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

「最適化栄養食」普及へ産学医連携の団体始動 イオン×セブン×日清食品が参画 ウェルビーイングに貢献

産学医連携による「一般社団法人日本最適化栄養食協会」(東京都渋谷区)が7月3日に活動を開始した。

同日に都内で設立発表会を開き、おいしさはそのままで低カロリーかつ必要な栄養素をすべて充足した「カレーライス」「かつ丼」「スパゲティ」などの試作メニューを披露。理事長に就任した慶應義塾大学予防医療センターの伊藤裕特任教授は「世界中で肥満、低栄養、フレイルなど様々な健康リスクが社会課題になっている。これらを『最適化栄養食』の普及で解決し、人類の『食によるウェルビーイング』の実現に貢献したい」などと語った。

理事には食品等流通合理化促進機構会長の村上秀徳氏、イオン執行役副社長商品担当兼イオントップバリュ社長の土谷美津子氏、セブン-イレブン・ジャパン社長の永松文彦氏、日清食品社長の安藤徳隆氏が就いた。

「最適化栄養食」とは、一人ひとりの状態にあわせて主要な栄養素が整えられた食事を指す。冒頭、伊藤理事長は「健康増進のためには普段の食事から必要な栄養素を無理なく摂取することが大切だが、すべてを自分で把握してコントロールすることは困難だ。われわれは『最適化栄養食』に関わる新たなフードシステムを構築し、社会に貢献できる産業への発展を目指す」と説明。加工食品・中食・外食・給食などあらゆるシーンでの提供を実現すべく、参画企業を広く募っている。

栄養バランスが最適化された「カレーライス」「かつ丼」など
栄養バランスが最適化された「カレーライス」「かつ丼」など

主な活動としては「最適化栄養食」の規格化と製品認証を行う。「近年は栄養バランスを整えた商品が続々と登場しているが、開発については各メーカーの解釈や判断に委ねられている。消費者に安心して食べていただき、当産業が健全に発展していくには明確なルールが必要不可欠となる」(伊藤理事長)。

設立にあわせ申請を受け付けており、協会が定める栄養基準などを過不足なくクリアした製品には認証マークを付与できる。早ければ今秋にも市場に流通し始める見通し。マークのデザインはクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が担当。また「最適化栄養食」の技術向上に資する調査研究、正しい情報発信などの普及活動も推進する。

発表会の席上、村上理事は「『最適化栄養食』は新しい品目分野であるため定義や基準が非常に重要。食品の規格・表示行政などに携わってきた経験を生かしたい」、土谷理事は「おいしくて栄養バランスの整った食事を豊富な選択肢から選ぶことができる未来を実現できれば、生活者の心の豊かさや幸せにつながる」、永松理事は「セブン-イレブンには1日約2千万人が来店し、そのうち約7割が食品の購入を目的にされている。生活者の健康に果たせる役割は大きいと認識している」、安藤理事は「インスタントラーメンは今や世界で年間1千億食以上も食べられている。これを将来的に『最適化栄養食』へ進化させることができれば、世界をもっと健康でハッピーにできると考えている」とのコメントを寄せた。

また、ゲストで青山学院大学陸上競技部の原晋監督が登壇。選手の栄養管理などについて語った後、「最適化栄養食」の試作メニューから「かつ丼」と「ピザ」を試食。「2品とも抜群においしい。アスリートのパフォーマンスも高まりそう」などと絶賛した。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点