日本アクセス 家庭用冷凍食品に注力 重点メーカーと取り組み深化(フローズン食品MD部)

得意領域であるフローズン事業をさらに強化するため、重点メーカーとの取り組みを深化させるとともに、独自の販促イベントやオリジナル商品を積極的に展開している。

23年3月通期の家庭用冷凍食品の販売実績(金額ベース、以下同)は、前年比約3%増で着地する見通し。メーカー各社が価格改定を実施した環境下、上期は約1%増だったが、下期は約4%増と上向いた。販売動向について、同社のフローズン食品MD部は「カテゴリーによっては物量がダウンしたが、麺類は玉うどんを中心に伸長し、弁当類は主要アイテムの売れ行きが良かった。餃子や米飯で品ぞろえに幅が出てきたことも特徴的」。

一方、同社が注力する活動の1つに「重点メーカーとの取り組み深化」がある。かねてより取引先メーカーと密に販売・販促などに関わる情報を共有してきたが、コロナ禍以降はオンラインを活用して内容を拡充。「定番商品の販促提案や新商品の導入状況など、それぞれの成功事例を水平展開する非常に有意義な場になっている。当社の強みとして今後も深化させていく」との方針だ。

22年10月、冷凍食品とアイスクリームが食べ放題のレストラン「チン!するレストラン」を東京・秋葉原に期間限定でオープンし、多数のメディアに取り上げられるなど大きな話題を集めた。同社主催による「フローズン・アワード」の10周年を記念した企画だったが、キャンペーン自体も年を追うごとに開催規模が拡大。投票を呼び掛けるメーカー制作のPR動画も好評で、プロモーションの一環として定着してきている。

オリジナル商品ではデリカ・生鮮部門と連携を強化。今春は中食総菜大手シノブフーズ製造のワンプレート商品「お総菜屋さんが作る冷凍弁当」3品(「牛焼肉弁当」「2種そぼろとタルタルチキン南蛮」など)を発売した。おいしさと値ごろ感(税別398円)にこだわったことがポイント。昨年販売した「国産ローストレッグ」が好評だったことから、今後は取り扱いを増やしたい考え。

「お総菜屋さんが作る冷凍弁当 2種そぼろとタルタルチキン南蛮」(日本アクセス) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「お総菜屋さんが作る冷凍弁当 2種そぼろとタルタルチキン南蛮」(日本アクセス)

23年度は、同社が設立30周年の節目を迎える。冷食カテゴリーにおいても、取り組みメーカーとの関係をより強固にしながら、各種キャンペーンや販促提案で販売の最大化を図っていく。「おかず類・麺類・スナック類などの重点品目に注力することは当然だが、成長が期待できるワンプレート商材や冷凍パン・スイーツなどの定着化も後押しできれば。生活者の行動変化が予測される中、エリアや業態の特性にあったニーズにもきめ細かく応えていきたい。反響の大きかった『チン!するレストラン』は、東日本に加え、西日本での開催も検討している」(フローズン食品MD部)。

なお、同社におけるNBの販売上位品目(22年4月~23年2月累計)は、味の素冷凍食品「ギョーザ」、ニチレイフーズ「本格炒め炒飯」、イートアンドフーズ「大阪王将 羽根つき餃子」、味の素冷凍食品「ザ★シュウマイ」、同「ザ★チャーハン」、テーブルマーク「ごっつ旨いお好み焼」、味の素冷凍食品「プリプリのエビシューマイ」、ニッスイ「大きな大きな焼きおにぎり」、味の素冷凍食品「やわらか若鶏から揚げ ボリュームパック」、ニチレイフーズ「特から」の順。2ケタ伸長した製品は、テーブルマーク「さぬきうどん5食」、ニチレイフーズ「お弁当にGood! ミニハンバーグ」、ケイエス冷凍食品「国産鶏 鶏つくね串(照焼)」、マルハニチロ「えびとチーズのグラタン」など。