キリンビバレッジのペットボトル(PET)コーヒー「ファイア ワンデイ ブラック」は昨年、PETコーヒー市場の伸びを上回って成長した。
取材に応じた諸橋桜子マーケティング部ブランド担当アシスタントブランドマネジャーは「PETコーヒー市場が22年、前年比100%とみられる中で、『ワンデイ ブラック』は104%を記録した」と振り返る。
販売チャネル別ではスーパー・量販店が115%と大幅増となった。これには「配荷が拡大したことに加えて、回転(1店舗当たりの販売本数)が非常によかった。PETコーヒーの中で1番よい回転を維持できたことが、成長要因として最も大きい」とみている。
好調要因としては味わいと600ml大容量ボトルによる値ごろ感を挙げる。
「ファイア ワンデイ」は、「ファイア」ブランドの資産である直火仕上げ製法と“心に火をともす”コーヒーの世界観に重きを置き、中味は嗜好性と止渇性の両面を兼ね備えるシリーズとして展開している。
具体的には、すっきりゴクゴク飲めるような味わいで爽快的な気分になれることと、しっかりコーヒーも感じてもらえることの両方を追求している。
昨年10月にはリニューアルを実施。長時間かけて様々なシーンで飲まれていることを考えて止渇的な要素と嗜好的な要素に磨きをかけ、パッケージは「ワンデイ ラテ微糖」とともにサブカテゴリーの表記をわかりやすくした。
このリニューアルも奏功した模様で「味わいの評価が非常に高いことに、600mlの大容量で比較的手に取りやすいことが相まって好調に推移した。手に取りやすく、お客様からは“飲んでみたら、おいしかった”というお声が聞かれご評価いただけたと思っている。10月の価格改定以降もトレンドに変わりはない」という。
メインユーザーは30~50代男性で従来どおりだが、スーパー・量販店で配荷が拡大したことで女性層を獲得するなどユーザーも広がりをみせている可能性がある。
3月からは順次切り換えで、直火で仕上げたコーヒーのおいしさや品質感が感じられるデザインを新たに採用して訴求を強化している。