200円を超える缶コーヒーをUCCが販売する理由 コンセプトは「特別な豆の、特別なブラック」 原材料コーヒーのみ

 UCC上島珈琲は、希望小売価格で税込200円を超える(税別198円)ボトル缶コーヒー「UCC ORIGIN BLACK ルワンダ&コロンビア」(275g)を10月31日から期間限定発売している。

 同商品は「特別な豆の、特別なブラック」をコンセプトに掲げ、コーヒーのみを原材料とした香料無添加の「ORIGIN BLACK」ブランド第4弾。
2021年5月のブランド立ち上げから半期ごとに商品を差し替えて高価格帯の缶コーヒーとして展開している。

 物価高や電気代高騰で生活防衛意識が高まる中、UCCが高価格帯の缶コーヒーを発売する理由は、中長期なスパンで生活者にコーヒーの価値を浸透していくことにあると思われる。

7日開催されたUCC ORIGIN BLACK新商品発表&特別試飲会でUCC上島珈琲マーケティング本部飲料マーケティング部飲料ブランドパーソナルユースチームの千葉美華子氏(左)とゲストに招かれた「sio(シオ)」オーナーシェフの鳥羽周作氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
7日開催されたUCC ORIGIN BLACK新商品発表&特別試飲会でUCC上島珈琲マーケティング本部飲料マーケティング部飲料ブランドパーソナルユースチームの千葉美華子氏(左)とゲストに招かれた「sio(シオ)」オーナーシェフの鳥羽周作氏

 7日取材に応じたUCC上島珈琲マーケティング本部飲料マーケティング部飲料ブランドパーソナルユースチームの千葉美華子氏は「他の飲料製品とは異なりプレミアムと産地をしっかり訴求してUCCの活動やUCCらしさを伝えていく。当社は缶コーヒーメーカーや飲料メーカーではなく、コーヒーメーカーとしてできるユニークな部分として中長期を見据えて『ORIGIN BLACK』を継続的に展開していく」と語る。

 「ORIGIN BLACK」の特徴の1つは、2つの産地のコーヒー豆をブレンドし、その2つの産地名をパッケージに大きくデザインしている点。市場では黒を基調としたボトル缶コーヒーが大勢を占める中、人目を引くカラフルなパッケージも特徴となっている。

 「第3弾の『ルワンダ&ブラジル』の発売のタイミングで“おいしいシリーズの新しいのが出た”という反応がSNSでみられるようになり、こだわり層にはしっかり響いているとみている。新商品を楽しみにして下さる方もおられ、パッケージのトンマナ(トーン&マナー)は継続していきたい」と述べる。

パッケージにサステナブルなコーヒー調達に関する独自基準を満たしたことが分かるオリジナルロゴをデザイン。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
パッケージにサステナブルなコーヒー調達に関する独自基準を満たしたことが分かるオリジナルロゴをデザイン。

 UCCグループは今年、サステナブルなコーヒー調達に関する独自基準を制定し、2030年までに自社ブランドを100%サステナブルなコーヒー調達にすることを目標の1つに定めた。

 この方針のもと、第4弾の「ルワンダ&コロンビア」はUCCグループの「サステナブルなコーヒー調達」の考え方を満たしたコロンビア豆を50%使用してルワンダ豆(ルワンダ フイエマウンテン)とブレンド。パッケージには、独自基準を満たしたことが分かるオリジナルロゴがデザインされている。

 第5弾以降も「サステナブルなコーヒー調達」の考え方を満たしたコーヒー豆をブレンドしてオリジナルロゴを配していく考えだが「あくまでプレミアム商品としての訴求をメインに展開していく」。

 「ルワンダ&コロンビア」の味わいは、第3弾の「ルワンダ&ブラジル」と比べて、産地をブラジルからコロンビアに変更したことでルワンダ豆の特徴であるグリーンアップルのような明るい酸味のフルーティーさがより際立つように仕立てられている。

おいしいものとの組み合わせにも可能性が見込める。左は鳥羽周作氏が手がけたバナナケーキ。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
おいしいものとの組み合わせにも可能性が見込める。左は鳥羽周作氏が手がけたバナナケーキ。

 パッケージは引き続きルワンダをテーマに幾何学模様や色を選定。第4弾ではルワンダの伝統工芸品の「イミゴンゴ」を意識したデザインをベースにルワンダの自然をイメージした緑色をメインカラーに設定している。

 今後の可能性としては、おいしいものとの組み合わせや家飲み需要・プチギフト需要の開拓などが挙げられる。

 7日開催されたUCC ORIGIN BLACK新商品発表&特別試飲会では、「sio(シオ)」オーナーシェフの鳥羽周作氏をゲストに招き、鳥羽氏が手がけたバナナケーキとのフードペアリングを提案した。