価格一辺倒でもなく

スーパーを訪れて驚いた。ペットボトル飲料の店頭価格が軒並み20~30円上がっていたため。分かってはいたが、いざ新価格を目にするとなかなかのインパクトだった。

▼これを売り手の立場で見ると「お客様の価格感度はいままで以上に敏感になっている」と映るのだろう。大手小売の第2四半期決算発表が続くが、生活防衛意識の高まりを受け、来店頻度や買上点数の低下傾向が出ているようだ。

▼現在の価格改定の理由は明確。小売も「要請があり妥当と判断すれば受け入れる」とのスタンスだが、一方で「価格に敏感な商品は、場合によって価格を据え置く」「価格据え置きに効果はない。価格感度の高い商品は価格を下げていきたい」といった発言も聞かれた。

▼生活防衛意識の高まりと聞くと価格政策に目が行きがちだが、格差社会を反映してか健康系を中心に差別化商品や高付加価値品のニーズも高まっているという。価格一辺倒ではないようだ。エリアを含め多様な生活者ニーズを的確に捉え、店頭に反映していけるか。これまで以上に迅速な対応力が求められそうだが。

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