植物性ヨーグルト多彩な切り口で市場創造 豆乳を発酵・プロテイン・シチリア産レモン・アーモンドミルクなど ポッカサッポロフード&ビバレッジ

 ポッカサッポロフード&ビバレッジは、多彩な切り口の新商品を投入して植物性ヨーグルト市場を創造していく。

 秋冬マーケティング活動の全体像について、9月14日発表した武田真一郎レモン・プランツミルク事業本部プランツミルク事業部長は「2つの方針を掲げ、1つは基幹商品の成長。もう1つは、未来につながるものとして植物性素材と発酵の組み合わせによる新領域への展開」と語る。

 基幹商品は豆乳を4種の生きた乳酸菌で発酵させた「ソイビオ豆乳ヨーグルト」(400g)とトクホの「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」(110g)の2品。

 前期(12月期)売上高は、「ソイビオ豆乳ヨーグルト」が前年比20%増。これに「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」などを加えた植物性ヨーグルト計では5%増の22億円を記録した。植物性ヨーグルト市場は48億円と推定されトップシェアの地位を維持した。

 「ソイビオ豆乳ヨーグルト」の秋冬に向けた活動としてはトライアルの獲得に注力していく。

 「お店の中で売場が広がっているが、手に取っていただけると継続購入につながる傾向にあることから、より手に取りやすいように現在40g増量キャンペーンを展開している。店頭活動が難しい中でお客様が店頭で手に取りやすいと感じていただける施策を展開していく」考えだ。

「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト シチリアレモン」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト シチリアレモン」

 「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」からは、ポッカサッポロのレモンの強みを活かしてシチリア産レモン果汁を使用したレモンソースで仕上げた「シチリアレモン」を新発売した。

 もう1つの方針である新領域の目玉商品は「SOYBIO豆乳ヨーグルト SOYPROTEIN」シリーズ。
 そのほか「GreenBioアーモンドミルクヨーグルトプレーン無糖」(350g)の新領域商品を取り揃える。

 小笠原千春レモン・プランツミルク事業本部プランツミルク事業部商品戦略グループリーダーは「植物性ヨーグルト市場は21年と22年に大きく拡大した。コロナ禍の影響もあって健康や美容への意識が非常に高まり、よりヘルシーなものを摂りたいと植物性食品に対するニーズが高まっていることが背景にあるとみている。

 26年に植物性ヨーグルト市場は80億円に達する見通しで、トップシェアを握る当社がいろいろな価値ある商品を展開することでこの市場を活性化させていきたい」と意欲をのぞかせる。

左から「SOYBIO豆乳ヨーグルト SOYPROTEIN」の「プレーン加糖」と「アロエ」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から「SOYBIO豆乳ヨーグルト SOYPROTEIN」の「プレーン加糖」と「アロエ」

 「SOYBIO豆乳ヨーグルト SOYPROTEIN」は、植物性プロテインと植物性ヨーグルトという業界初と思われる組み合わせが特徴で「1個に大豆プロテイン8gが入っているほか、乳酸菌とイソフラボンもとれて低脂肪でコレステロールゼロとし女性にうれしい要素を詰め込んだ」商品で、「SOYBIO(ソイビオ)」ブランド強化の役割も担う。

 アイテムは「プレーン加糖」と「アロエ」の100gカップ2品をラインアップし9月26日から新発売している。

 プロテイン市場が近年急成長を遂げていることとライトユーザーの拡大に商機を見出す。

 「プロテインの摂取意向が高まり、日常的にプロテインを摂ることの大切さが一般の生活者の中にも意識づけられている。プロテインと言えば、昔は筋肉増強として摂られていたが、今は日常の中で健康のために摂取される。特に女性においては素敵なカラダづくりとして積極的に摂られるようになり一般化している」との見方を示す。

 ヨーグルト市場が前年割れする中、プロテインヨーグルトが拡大している点にも触れ、植物性プロテインが動物性プロテインと一線を画している点にも勝算を見込む。

 植物性プロテイン特徴について「余分なものがなくてヘルシー。吸収率が遅くおなかに貯まるためダイエットにも効果的と言われる。牛乳(動物性)のプロテインと比較しても体内で生成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれている」と説明する。

 ターゲット層は健康と美容に関心を持つ20‐40代女性。
 「『SOYBIO豆乳ヨーグルトプレーン無糖』(400gカップ)のユーザーは40代以上の女性が多く、我々としては新たなチャレンジであり非常に可能性を感じている」と語る。

ハローキティ・クロミのコラボキャンペーンをパッケージにあしらった「GreenBioアーモンドミルクヨーグルトプレーン無糖」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ハローキティ・クロミのコラボキャンペーンをパッケージにあしらった「GreenBioアーモンドミルクヨーグルトプレーン無糖」

 「GreenBioアーモンドミルクヨーグルトプレーン無糖」は、ヨーグルトに近い食感に改良しよりアーモンド感を感じられる中身設計にリニューアルした。
 アーモンドミルク市場が活性化しヨーグルト市場にも波及していることに着目した動きとなる。

 「植物性ヨーグルトの選択肢の幅を広げていきたいと考えており、牛乳や豆乳のヨーグルトでは対応しきれない価値を持ったアーモンドミルクのヨーグルトをしっかり育成していきたい」と述べる。

 同商品は、1日分のビタミンEと乳酸菌、食物繊維が効率よく一緒に摂取でき、コレステロールゼロ・乳製品不使用でつくられている。アーモンドは1パックで38粒相当(1粒=1g)が含まれている。

 「豆乳が苦手な方にも、アーモンドのおいしいイメージもあって、手に取ってもらえるカテゴリーの商品だと考えている」と期待を寄せる。