キリン「ファイア ワンデイ」が拡大 牽引役は「ブラック」 さらなる成長へ味覚・パッケージに磨き

 キリンビバレッジのペットボトル(PET)コーヒー「ファイア ワンデイ」シリーズが拡大している。
 牽引役は「ワンデイ ブラック」で、「ワンデイ ブラック」1-8月販売実績は前年同期比2ケタ増となり、これにより「ファイア ワンデイ」シリーズも前年を上回った。

 秋冬に向けては「ワンデイ ブラック」の味覚・パッケージに磨きをかけて勢いを加速させる。

 「ワンデイ ブラック」の好調要因について、取材に応じた山中進マーケティング部ブランド担当部長代理ブランドマネージャーは「売れている理由の1つとして、味覚が物凄くご評価されリピート率が高いことにある」と説明する。

 春先に行ったパッケージリニューアルも奏功した。

 「どんな味がするのか想像しづらいというお客様の声を反映させて、飲みやすさがありながらもコーヒーをしっかり感じられるパッケージデザインに改めたことも好調の1つの大きな要因」とみている。

リニューアル発売する「ファイア ワンデイ ブラック」とパッケージのみ刷新した「ファイア ワンデイ ラテ微糖」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
リニューアル発売する「ファイア ワンデイ ブラック」とパッケージのみ刷新した「ファイア ワンデイ ラテ微糖」

 さらなる拡大を目指して10月11日には「ワンデイ ブラック」をリニューアル発売してTVCMの投下も予定している。

 中味は「支持を得られているため大きくは変更せず、長時間かけて様々なシーンで飲まれていることを考え、止渇的な要素と嗜好的な要素をよりブラッシュアップした」。

 パッケージは「ワンデイ ラテ微糖」とともにサブカテゴリーの表記をわかりやすくした。「店頭では瞬時に選択されるため、デザイン性のあるBLACK、LATTEの表記を、読みやすくしてパッとみたときにもわかるようにした」。

 「ワンデイ ラテ微糖」はパッケージのみ刷新して9月から順次、新パッケージに差し替えて販売している。

 「ファイア ワンデイ」シリーズは販売数量を伸ばしているものの「発売開始から約4年経つが半分のお客様に知られていない状態」であることから「ワンデイ ブラック」と「ワンデイ ラテ微糖」の2品で引き続き認知拡大を図っていく。
 「量販店さまでの売上げ比較では、やはり2品並べていただいたほうが売上げがアップするというデータもあり、2品の相乗効果は間違いなくあると思っている」と語る。

キリンビバレッジの山中進マーケティング部ブランド担当部長代理ブランドマネージャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
キリンビバレッジの山中進マーケティング部ブランド担当部長代理ブランドマネージャー

 「ファイア ワンデイ」は、ブランドの資産である直火仕上げ製法と“心に火をともす”世界観に重きを置き、中味は嗜好性と止渇性の両面を兼ね備えるシリーズとして展開している。
 「すっきりゴクゴク飲めるような味わいで爽快的な気分になれるというのは外してはいけないポイント。一方で『ファイア』は本物・本質のコーヒーを追求してきたブランドのため、しっかりコーヒーも感じてもらえるようにしている」と語る。

 容量はチビダラ飲み需要に応える600mlの大容量ボトルで時間をかけて飲まれることを想定して常温での味わいも追求。

 「ファイア ワンデイ」のコンセプトは“いつでも、どこでもおいしく飲める”で1日に寄り添うコーヒーとして中味と容量が設計されている。
 「600mlにしたのは、競合商品をみてではなく、長時間かけて飲まれるようになったPETコーヒーを考えて適量をお客様に確認したところ、700mlや750mlを求められるお客様が多かったが、持ち運びやすさも重要で確認した結果、600mlくらいがちょうどいいという結論に達した」と振り返る。

 「ワンデイ ラテ微糖」は「ワンデイ ブラック」の好調要因でもある独自価値に微糖の要素を取り入れ、甘さに罪悪感を抱いているというカフェラテユーザーの取り込みに注力している。
 今年は、ラテ市場の競争激化の煽りを受けて一部のチャネルでは導入面で苦戦を強いられているものの「お取り扱いいただいている売場では2ケタ程度の伸長で回転している」という。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)