うだるような暑さ 流通各社は人命第一に節電対応か

 流通各社は今夏の電力需要のひっ迫に備えて節電・省エネ対応を進めている。
 ただし、全国的な連日の猛暑を受けて熱中症対策の人命第一に臨機応援に対応しているようだ。全国に約5万6000店舗あるコンビニは移動中に涼がとれるライフラインの役割もある。

 6月30日も全国的に記録的な暑さに見舞われた。

 日本気象協会によると、30日の最高気温は東京都心で36.4℃と6月の過去最高を更新して6日連続の猛暑日を記録。埼玉県鳩山町では39.9℃と40℃に迫る暑さとなった。

 この日、埼玉県入間郡でグランドオープンしたイオンタウン毛呂山は、うだるような暑さの中、開店前に列をなす来店客に向けてドリンクを配布しミストファンを急遽手配した。

6月30日に急遽設置されたミストファン(イオンスタイル毛呂山) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
6月30日に急遽設置されたミストファン(イオンスタイル毛呂山)

 取材に応じたイオンタウンの富澤照彦関東事業部事業部長は「正直、このような暑さになるとは思っていなかった。急に暑くなったことを受けて、開店時間を10分早めたり具合が悪くなられた方のための休憩スペースを設けるなど熱中症対策をできる限り行った。電力ひっ迫もあるが、暑さに関してはご迷惑おかけしないようにしたい」と述べる。

 イオンモールとイオンリテールは、屋外照明や館内照明の消灯や空調の一部停止などで節電・省エネ対応に取り組んでいる。

 イトーヨーカ堂では、イトーヨーカドーの食品売り場や衣料雑貨にある飲料冷蔵やデイリー冷蔵のケース、衣料雑貨で使用している什器照明の一部を消灯している。

 コンビニでは、セブンイレブンが午後3時~6時、揚げ物の仕込みを行うフライヤーの使用について、作業時間を前後に振り分けたり電源をセーブモードやオフにしたりしてスケジュールを見直している。
 またドリンク類の補充については、バックヤードにあるウオークイン冷蔵庫の開閉をできるだけ避けピーク前後の時間帯で作業している。

 ローソンは、電力需給ひっ迫注意報・警報が発令された日に、商品陳列用の要冷機器照明や店舗照明の一部を消灯。空調フィルターの清掃や業務用冷蔵・冷凍庫の扉開閉時間・回数削減なども徹底している。

 ファミリーマートは、店内天井照明の照度を60%ダウンし店舗の一部照明を消灯。これまでの取り組みとして冷蔵ケースのフィルター清掃なども実施し「今後も店内の什器設備や温度対策、店外室外機の環境を見直し節電への取り組みを継続していく」(ファミリーマート)という。

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