「ボス カフェベース」5年連続成長で勢い加速 共働き女性の商品認知率が急上昇 さらなる成長へ「ねこねこキャップ」

 サントリー食品インターナショナルが手掛ける「ボス」ブランドの濃縮タイプ飲料が昨年、16年の発売開始以来5年連続の成長を遂げた。

 特にコロナ禍の2020年販売実績は、在宅勤務時間の増加と在宅でカフェショップのような味わいを楽しみたい“おうちカフェ”ニーズの高まりが後押しとなり「ボス カフェベース」は前年比約4割増を記録した。

 21年も、多くの嗜好品カテゴリーが20年の反動減に見舞われ前年維持か微減となる中で約2割増と好調を維持した。

 その好調要因について、3月4日発表した柳井慎一郎常務執行役員SBFジャパンブランド開発事業部長は、TVCMなどのコミュニケーション施策が奏功して女性の商品認知率が20年7月の20%から21年12月66%と急上昇したことを挙げる。

 「おいしさと手軽さの両方を訴求した広告を投入して、メインのお客様である共働きの女性の商品認知率が飛躍的に向上した」と説明した。

 今年はこの勢いを加速させるため、主な流入元であるインスタントコーヒーやレギュラーコーヒーなどの非RTD市場に照準を合わせ、分かりやすさと使いやすさの直感的な理解を促進しさらなる間口拡大を狙う。

 「流入元の約6割がコーヒー豆などの非RTDで新規顧客獲得の大きな機会だと思っている。一方、『カフェベース』を店頭で見られたお客様の約半数は店頭の1~2秒では割るものとしてではなく、直接飲む飲料と誤解されている」との見方を示す。

「ねこねこキャップ」を装着した「ボス カフェベース」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ねこねこキャップ」を装着した「ボス カフェベース」

 この見方のもと、割るものと理解できていない層に開拓余地を見込み、新たに開発した「ねこねこキャップ」をノベルティとして付属し3月8日に発売開始した。

 「割る商品という認識を『ねこねこキャップ』に楽しく託して展開していく」考えだ。

 「ボス カフェベース」は21年3月から「どう割ったって、割とうまい。」というメインコピーのもと、お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気さんと女優の伊藤沙莉さんを起用したコミュニケーションを展開している。

 「ねこねこキャップ」は21年7月、岩井さんへの誕生日プレゼントとして特注品を贈ったことが始まりで、岩井さんのツイッター投稿に大きな注目が集まったことをきっかけに今回、ノベルティ化された。

 “たれない”“注ぎやすい”“片手でOK”の3つをポイントとし、種類はシークレット1種類を含めた計5種類を用意している。

 既に22年2月22日のスーパー猫の日に告知動画を公開したところ480万回以上再生されている。

左から「ボス カフェベース贅沢フルーツオレ」「同 贅沢抹茶ラテ」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から「ボス カフェベース贅沢フルーツオレ」「同 贅沢抹茶ラテ」

 店頭では明治の「おいしい牛乳」とのコラボを実施し「おいしい朝食セット」が抽選で300人に当たるキャンペーンを展開。「牛乳消費応援の一助にもなれればいい」と語る。

 新たなラインアップとしては、3月8日に「贅沢フルーツオレ」を新発売。4月26日に「贅沢抹茶ラテ」を新発売して「濃縮飲料の可能性もコーヒーだけに限らず可能性を広げながら展開していきたい」と意欲をのぞかせる。