明智光秀で考えるオマージュ文化

明智光秀を描いた第59作・NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が最終回を迎え、渋沢栄一を主人公とする第60作の「青天を衝け」が始まった。

▼「麒麟がくる」の時代考証を担当したのは静岡大学名誉教授の小和田哲男氏。非道阻止説が採用され、信長の非道が許せない光秀のやるせなさが伝わってくる最後だった。裏切り・謀反のイメージが強い光秀だが、切り口や焦点(主人公)が変わると、こうも見方が変わるものかと思い知らされた。

▼歴史は勝者の歴史のようでもある。同じくNHKで新説・関ヶ原の戦いに関する番組が昨年末放映された。同番組では関ヶ原の地に発見された石田三成ら西軍が築いたとみられる巨大山城の跡を紹介。山の頂に数万の大軍を収容できる巨大要塞の全容が徹底調査によって明らかにされた。この事実は勝者である東軍によって最近までかき消されてしまったようだ。

▼食品業界のシェア争いも同じ観がある。シェアで勝っても打ち負かしたパイオニアに敬意を払うオマージュ文化が醸成されれば、開発者の創発意欲は増し業界はより活性化するはず。