抹茶の原料となる碾(てん)茶と煎茶の原料である荒茶の価格がいずれも急騰し、安価な原料を求めて中国産茶葉を使用するケースが増えてきた。財務省貿易統計では、2025年の中国産茶葉輸入量が前年より大きく上向いている。
▼輸入された茶葉は国産の代替として、抹茶やティーバッグなどに加工される。中国は日本の数十倍を生産する世界最大の茶生産国であり、供給力は大きく、原料は安い。中国産の使用は供給不足やコスト急増に対抗する自然な経営判断だろう。まだ中国産を扱っていない茶商たちも、今後使用する可能性を問うと完全には否定しない。顧客が望む場合も想定されるからだ。
▼「最終的に決めるのは消費者」という。商品購入の意思決定をするのは消費者だ、という意味では然り。だが購買行動がもたらす影響まで消費者が決定しているわけではない。
▼国内食品市場は縮小局面にある。外国産原料への代替が進めば、その分だけ国内一次産業は弱体化する。産業の未来はどうあるべきなのか。店頭で消費者の判断を仰ぐ前に吟味しておく必要がある。



