製油業界 油脂値上げへ 原料コストの上昇続く 昭和産業、3月から斗缶500円引き上げ

昭和産業は21日、家庭用・業務用の油脂製品価格の改定を発表した。3月1日納品分から家庭用汎用油は㎏30円以上、業務用斗缶(16.5㎏)は1缶500円以上、ミニローリ㎏30円以上、加工用バラ㎏30円以上の引き上げを要請する。製油業界では昨年来、原料価格が上昇し、搾油採算が悪化。コロナ禍の影響で価格改定を見送ってきたが、来期に向けて値上げの動きが活発化しそうだ。

大豆、菜種、パーム油の相場上昇で製油業界のコスト環境は厳しさを増している。

いち早く経済回復が進む中国を筆頭に、コロナ禍でも世界の大豆・菜種・パーム油の需要は旺盛だ。世界最大の大豆輸入国・中国ではコロナ発生後の経済立ち直りに加え、アフリカ豚熱で激減した豚の飼育頭数が回復。飼料需要の高まりもあり、中国の大豆輸入量は昨年、過去最高となる年間1億tの大台を突破した。

植物油脂・ミールの需要拡大が続く一方、供給面では天候不順による減産で、需給ひっ迫の懸念が強まっている。

米国大豆の減産、南米大豆の乾燥懸念に加え、菜種も厳しい状況で、大豆、菜種ともに期末在庫が減少する見通し。パーム油の需給も依然として引き締まっており、世界的にオイル高の状況が続いている。

原料相場は昨年4月を底に上昇傾向を強めている。大豆は1ブッシェル9ドル台(4月時点)に対し、期近では13ドル台後半にまで上昇。菜種はトン450加ドル(同)→期近で650加ドル超、パーム油はトン2000マレーシアリンギ(同)→期近3500マレーシアリンギと、いずれもこの一年で急騰している。

製油各社は今期コロナ禍のダメージを受けている外食市場の厳しい環境も考慮し価格改定を見送ってきたが、原料相場の急騰によるコスト上昇が深刻になっており、来期に向けて価格改定せざるを得ない状況にあった。

こうした中で、昭和産業が3月からの油脂製品の価格改定を発表したことで、日清オイリオグループ、Jオイルミルズの大手2社の対応も注目される。両社とも状況は同じであり、搾油採算の悪化は深刻な課題だ。

各社とも大口ユーザー向けの四半期決めバルクは、先行して価格改定を進めてきたが、今後は市場全体への浸透がカギとなる。川上のコスト状況に理解を求め、斗缶製品も含めて原料コストを反映した適正価格の構築を急ぐ構えだ。