「ボス」“イエナカしごと”増加に着目 濃縮飲料「カフェベース」ブラックコーヒーにも照準 サントリー食品

サントリー食品インターナショナルの濃縮タイプ飲料「ボス ラテベース」は、共働き世帯の増加や時短・在宅勤務の推進に伴う家庭内コーヒー(イエナカコーヒー)の消費増加によって拡大。19年販売実績は16年の発売開始時に比べ約8割増となった。

さらなる拡大を目指すべくサントリーが着目したのは、テレワークやフレックスタイム制の導入による“イエナカしごと”の増加。

「働き方が変われば家での過ごし方も変わる。家の中でも仕事をするようになりイエナカ・イエソトのボーダレス化が起こっている」と佐藤晃世執行役員食品事業本部ブランド開発事業部副事業部長は指摘する。

佐藤晃世執行役員(サントリー食品インターナショナル) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
佐藤晃世執行役員(サントリー食品インターナショナル)

ボーダレス化で、イエナカはくつろぎの場所一辺倒ではなくなりコーヒーの役割も変化するという。

「これまで癒しのニーズに対応してラテ中心の考え方で『ラテベース』を育成してきたが、リフレッシュのニーズも大いにあり得ると考えている」。

この考えの下、ラテ専用の「ラテベース」をラテ・ブラック兼用の「カフェベース」へと刷新し3月10日に新発売する。

「ラテベース」に比べ濃縮率を4倍から5倍に上げることで“1本で約10杯”のコンセプトをそのままに、容量を490㎖から340㎖へとコンパクト化して持ち運びや保管の際の利便性を向上させた。

アイテムは「無糖」「甘さ控えめ」「贅沢カフェインレス」「焦がしキャラメル」「紅茶ラテ」の5品をラインアップし、このうち「無糖」と「甘さ控えめ」は同社専用焙煎工場で高温短時間焙煎したアラビカ豆100%を複数回連続抽出した濃厚エキス(非濃縮コーヒー)を増量し同社独自のエスプレッソでコーヒーの香り立ちを強化した。

「ボス」では『時短+豊かさ』をキーワードに濃縮タイプ飲料とプレミアムボトルコーヒーの「コーヒーハンターズ」でイエナカコーヒーシリーズを展開。イエナカコーヒーシリーズ計の19年販売数量は前年比約2割増となった。