無駄ではなかった

調査開始から57年が経過、ようやくダム本体の着工にこぎ着けた八ツ場(やんば)ダムの建設が中止される見通しとなった。すでに数千億円の税金を投じ、ダム本体工事を待つばかりとなっていただけに、単純に「もったいない」と思う。

▼ダムの最大の受益者は下流域に暮らす住民だ。干ばつによる水不足やゲリラ豪雨などによる水害などから下流域住民の生命、財産を守る。50年、100年という時間軸で見た場合、果たして無駄かどうか。ダムに限ったことではないが、過った判断とならないことを願うばかり。

▼10年前に書いたコラムの一節。その後、政権交代により八ツ場ダムの建設は再開された。来年3月の完成に向け、今月1日からは試験湛水中だったが、台風19号の豪雨により流れ込んだ水で、ほぼ空っぽだったはずのダムは1日にして満杯になった。

▼もし八ツ場ダムがなければ、台風19号による下流域の浸水被害が拡大していた可能性もある。現在その効果を検証中とか。検証結果がどうなるか分からないが、少なくとも“無駄”でなかったことだけは示せたのでは。