「森永甘酒」チルド参入 飲みやすさと新容器で若年層開拓

森永製菓は甘酒トップシェアの「森永甘酒」シリーズで従来からのドライ(常温)の展開に加えて新たにチルド(冷蔵)市場に参入する。

チルド専用品の「甘酒」2品を3月26日に新発売した。同2品は厳選された国産の酒粕と米麹をブレンドし、コクがありながらも甘さを抑えたすっきり飲みやすい味わいが特徴。酸味料と香料は不使用。近年、伸長し続ける甘酒市場の中でもチルド甘酒市場の急伸を受けて開発された。

チルド市場の可能性について、取材に応じた鈴木達也営業本部菓子食品営業部食品・ウイダー営業グループマネジャー(取材当時)は「スーパーの店頭ではチルドの甘酒の品揃えが拡充している。われわれのドライの甘酒は製菓材やデザート売場に並べられることが多い。チルド売場はお客さまが回遊しやすく、われわれの売場に来られる前にチルド売場で買われる現象が起きている」と語った。

酸味料・香料不使用の無添加品質で、国産米100%を使用。125㎖と1ℓの2品をラインアップし、1ℓにはテトラ・ジェミーナ・アセプティック容器を採用。これにより1ℓは握りやすく、軽い力でキャップを開封できるほか、開口部には広く傾斜がついているので液ハネせずスムーズに注げて衛生的となっている。

店頭映えする視認性のある容器で20~40歳代の甘酒チルドユーザーを獲得していく。「ドライ商品との若干のカニバリはあるかもしれないが、チルドユーザーは基本的にチルド商品だけを買われる傾向にある」とみている。

「森永甘酒」全体のポートフォリオは「森永甘酒」(190㎖缶)、「冷やし甘酒」(190㎖缶・1ℓ紙)の定番品に「森永のやさしい米麹甘酒」(125㎖紙・1ℓ紙)と「森永甘酒チルド」を加えた主に3カテゴリーを柱に位置付けている。

甘酒市場は昨年12月11日に放映されたテレビ朝日系「林修の今でしょ!講座」の効果で息を吹き返している。「前半が苦戦したが、テレビ効果で昨年4月から今年3月までの年間では2、3%増となりそうだ」とみている。