コカ・コーラシステムが9月21日に新発売する「ジョージア カフェウォーター ブラック」(カフェウォーター)は、日本コカ・コーラが長年培ってきた香気成分の分析といった技術が光る。
同商品は、コーヒー豆不使用で、大麦やひよこ豆などの代替農産物も使わずにコーヒーの味わいを再現した清涼飲料水。
約2年の開発期間を経て誕生し、9月21日に発売開始される。
気候変動の影響などにより将来の良質なコーヒー豆の安定調達が危ぶまれていることが開発の背景。

9月17日、取材に応じた日本コカ・コーラの新田祐一郎マーケティング本部コーヒー事業部シニアディレクターは「グローバルのR&Dチームでコーヒー豆の高騰や将来的な供給の逼迫を見据えて技術開発をスタートした。コーヒー2050年問題など何が起きるかわからない将来に備えたプラットフォームとなる」と語る。
消費者が実際に飲んで得られるベネフィットに重きを置いて訴求していく。
そのベネフィットは「コーヒーよりも軽やかで、水よりも満ち足りる」という価値。
ペットボトル(PET)コーヒーやコーヒーの飲用経験に乏しい若年層などのコーヒーエントリー層に向けて、喉を潤す新しい選択肢としてアピールしていく。
「コーヒーの苦味を苦手とする若年層がどんどん増えており、PETコーヒーのトレンドも、どんどん飲みやすい方向にシフトしているが、それでもなお、苦味や雑味がないものを求められている方々がかなり多くいることが分かった」という。
定番商品の1つ「ジョージア ブラック」の中身については「最初の一口に感じられるコーヒー感を大事にして後味はできるだけスッキリさせている」と説明。
これに対して「カフェウォーター」は「コーヒーらしさを感じられつつ、喉ごしとして苦味が本当に引っかからない」と述べる。
「カフェウォーター」でコーヒーエントリー層を獲得して「ジョージア」定番商品への流入も見込む。
PETコーヒーユーザーやコーヒーユーザーには引き続き定番商品に磨きをかけていく。
「カフェウォーター」の主要原材料は食物繊維と香料。代替農産物を使わず、この2つにカフェインをごく少量添加することでコーヒーの味わいを再現した。
「当社は香気成分を分析する経験値が物凄く高く、コーヒー味についてもずっとトライしてきた。今回、200種類以上の香気成分を分析した結果、10種類の組み合わせに辿り着く。これにコーヒーらしいコク感や飲み応えが得られるように食物繊維を入れて少し粘度出し、カフェインも加えることでコーヒーらしい後味を再現した」と説明する。
この中身技術については現在、製法特許を出願中。
「組み合わせる香気成分の量や、食物繊維やカフェインとのバランスが少し違うと全く違う味になり、この味わいの追随は難しいと考えている」と胸を張る。
カフェイン含有量は100mlあたり20mg。コーヒーは農産物のためカフェイン量は一定ではなくコーヒー飲料では一般的にカフェイン含有量を示していないのに対して「カフェウォーター」はカフェインを添加したものであるため明示している。
100mlあたり20mgは、一般的なレギュラーコーヒーの3分の1の相当のカフェイン含有量とされる。
持続可能な供給において、代替農産物を用いていないことが強みとなる。
「コーヒー以外の農産物も気候変動の影響を受ける可能性がある。農産物を使わないことで安定供給を確固たるものにして品質も担保した」と力を込める。
調達コストを抑えることで値頃感も創出する。
500mlの容量でメーカー希望小売価格は税別149円。同じ500mlでメーカー希望小売価格229円の「ジョージア ブラック」よりも割安な設定となっている。
「節約意識が高まる中で、あくまで新しい選択肢の1つとして提案していく。『ジョージア』としてはコーヒーを飲んでいただくのが一番であり、『カフェウォーター』をきっかけにブランドとしてはコーヒーに入ってきていただきたい」との考えを明らかにする。
コーヒーらしいおいしさが感じられるとともに、コーヒー豆不使用のためコーヒー独特のあと残りが一切ないため止渇ニーズにも対応。
「例えばコーヒーのヘビーユーザーが運動中やアクティブに活動する際の水分補給として飲むのにもおすすめ」という。
ホットやラテなどの横展開も技術的には可能だが、当面は「カフェウォーター」のコールドでの販売に徹していく。

パッケージは、将来のシリーズ展開などを視野にデザイン。
「青色は食欲減退色と言われているが、ユニークさで人目を引きたいと考えて黒と青の二色を基調とした。ネーミングの一部であるウォーターを含めて上手く表現できていると思う」と説明する。
コーヒー豆不使用であることを伝えるためロゴにも一工夫を施した。豆のイラストと「GEORGIA Coffee」が通常ロゴであるのに対し、「カフェウォーター」ではカップのイラストと「GEORGIA Cafe」をあしらった。
コミュニケーションは、発売開始に先立ち、9月14日のプレスリリース公開時からティザー動画を公開するなどの施策を実施している。
「SNS上で話題を作って一気にトライアルを取りに行く。『カフェウォーター』のネーミングも含めて、1度は飲んでみたいという機運を醸成できると考えている」と語る。
話題化や興味喚起につながるサンプリング施策も検討している。
飲料の最需要期後の発売時期については、当初予定の2027年の発売を前倒ししたため。
「魅力ある良い商品がせっかく出来たのであるから1日でも早く出そうということになり、どこまで前倒しできるかにトライした」と述べる。
「カフェウォーター」は、世界のコカ・コーラシステムの中で初めてとなる日本発のイノベーションとなる。

