日本酒缶の市場拡大プロジェクト「酒缶推進委員会」が始動した。現状、日本酒の容器は瓶や紙パックが主流だが、近年は小容量(180ml・200mlなど)の試しやすさや扱いやすさなどが好感され、缶入り製品の注目が高まっている。その機運をさらに盛り上げて国内外のマーケットを開拓するため、170以上の酒蔵とネットワークを持つAgnavi(アグナビ)、製缶大手の東洋製罐、元祖生原酒缶「ふなぐち」で知られる菊水酒造(新潟)の3社がプロジェクトに参画。全国の日本酒蔵に対して缶製品の導入を支援し、充てん・販路・売場作りを一体で推進する。
12日にAgnavi主催の日本酒シンポジウムで概要を発表。同社の玄成秀代表取締役は「日本酒缶は遮光性(=品質保持)や携帯性などの機能に優れ、多様なデザインや売り方を可能にする。小容量でビギナー向けの入り口としても非常に有効。ビール市場が瓶から缶へのシフトで急成長したように、日本酒でも新たな需要拡大の機会を創りたい」と語った。
一方で酒蔵が缶製品を導入するには資材や充てん設備の手配、さらには販路開拓などの課題がある。玄氏は「日本酒缶の流通にノウハウを持つわれわれの支援で市場参入のハードルを下げる」との考えを強調する。
資材調整や充てん受託先のマッチングなどに取り組み、目指す姿として「酒蔵が小ロット・低初期投資で缶商品を始めやすくする」「充てん設備を有する酒蔵の稼働率向上と新たな収益機会を創出」などを掲げた。
これまでにAgnaviは170以上の酒蔵と連携して缶製品の企画・商品化から販路開拓を推進してきた。菊水酒造は日産10万缶の充てん能力を保有。「ふなぐち」など自社製品のみならず、他社製品の充てん受託も行う。東洋製罐は缶資材の提供に加え、充てん設備のレンタル事業「詰太郎」を展開する。
玄氏は「各社が日本酒缶を個々で提案するよりも、数多くの酒蔵をまとめてアピールした方が売場を作りやすい。新たな仕組みで市場拡大に貢献したい」と展望した。



