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アサヒ飲料、新価値創造へ「グリーンコーラ」で前例のないマーケティング手法を展開 100年ブランドは価値深掘り

 アサヒ飲料は今年、「新しい価値を生み続ける」「しなやかで強い」「ブランド価値を高める」という同社の基本戦略の原点に立ち返り、「三ツ矢」「カルピス」「ウィルキンソン」の100年ブランドの価値を深掘りするとともに、新価値創造に向けて「green cola(グリーンコーラ)」など新商品を投入して前例のないマーケティング手法を展開していく。

米女太一社長
米女太一社長

 1月19日、年初会見に臨んだ米女太一社長は2026年方針の骨子について「既存ブランドをしっかりと最先端を走れるようにする。それ以外では、今まで市場に出てきたことのないような商品群をこれから世に送れるようにしていく。既存ブランドを伸長させるのも実は新しい価値を生むことになるのだが、既存ブランドと全く新しい価値創造の2つに取り組んでいく」と語る。

 5月12日に1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)のコンビニエンスストア限定で発売する「green cola」は、2012年にギリシャで誕生し50を超える国や地域で展開している国際的なブランド。植物由来のステビアを使用し爽快感のあるコーラの味わいが楽しめるという。
 砂糖・保存料不使用、カロリーゼロであることを「NO is Smart」というメッセージを通じて訴求していく。

 「コーラ市場の中で素材が全く違う新領域としてプラスアルファで価値が生まれると考えている。炭酸市場の中でコーラ市場は4割程度を占めており、無糖ノンカロリーを好む方が増えている。世界中で既に認知を得ている『green cola』に着目して、我々がこれまでやってこなかったマーケティングを展開していく」と説明する。

 前例のないマーケティングとは、大型新商品で過去行ってきた大規模マーケティングや垂直立ち上げとは一線を画したスモールスタートに近しいものとなる。

 「しっかりとブランドを育成すべく、ターゲットを絞ってファンを増やしていき、ファンがコアファンとなり、そのコアファンの波を全国に広げていきたい。当社ではあまりやってこなかったマーケティングをブランド育成の1つの手法として構築していきたい」と意欲を示す。

 前例のないマーケティングで新商品を投入する背景には、既存の主要ブランドでは取り切れない個性的な商品を求める動きがあるとの見立てがある。

 「個性的な商品を育てるときの一つの学習としても今回考えてみたい。特定のファンが多そうなところでまずやってみて、しっかりとファン作りをして、それを今後はどう展開をしていくかというストーリーを作り、それを実行していく」と力を込める。

 新価値創造のための体制づくりは、米女社長が現職に就いた2020年3月から継続して行われている。

 2024年9月1日付で新規領域バリューチェーンプロジェクトを立ち上げ、中期視点で既存組織とは切り離したバリューチェーン構築の専門チームを設けたことで新規領域に向けた取り組みを加速。

 その1年後には、マーケティング本部の中に、既存カテゴリを深めていくのとは別に横串で新しい価値を生んでいく組織として新価値創造部を特別に新設した(2025年9月1日付)。

 そのほか、2022年4月1日付で未来創造本部を新設。設立当初は米女社長が本部長を兼務し、現在は守谷弘幸専務執行役員が兼務している。

 このような長年の取り組みの成果が徐々に現れ始めているという。
 「今年あたりから順次、これまでになかったような新価値の商品を生み出せる土壌が整った。今後のアサヒ飲料を楽しみにしていただきたい」と自信をのぞかせる。

 組織変更に積極的なのは、既存の組織では新価値創造へのアクションを起こしにくいと考えるため。

 「ルーティーンの仕事の中で、なかなか新しいことのほうに行動が移っていかない。社員に聞くと新しい発想はたくさんあるのだが、仕事の量と新しいことに手をつけることのバランスがなかなか取りにくく、(組織を)別にしてあげたほうが動きやすく、新しいことが始まることを分かるようにすることで全体の組織が動くようになると判断した」と振り返る。

 役割を終えた新組織は廃止する。
 「新価値創造のきっかけができて実際に軌道に乗ったならば、元の組織に戻してそれを実行していくほうが全社的にも効率的になる」との考えを明らかにする。

 100年ブランドについてはコミュニケーション施策を中心に価値を深掘りしていく。「伝統を継承しながら時代の最先端を走らせていく」という。

 具体的には「カルピス」を一例に挙げると、「カルピス」が持つ4つの基本価値(おいしいこと・滋養になること・安心感のあること・経済的であること)を起点に新価値を編み出していく。

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