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日清食品 AI活用で描くサプライチェ―ン改革の未来像 小売・卸とデータ自動連携

 日清食品でサプライチェーン改革の陣頭指揮をとる深井雅裕常務取締役事業統括本部長兼Well-being推進部長は「AIは物流の生産性を上げるために非常に重要な切り口だと認識している。その利用を前提に業務プロセスをゼロから組み立て直すくらいの覚悟で進めている」と強い想いを語る。特に今後はAIの活用が進むと予測。「2026年にも小売店さま・卸店さまらと新しい枠組みでパートナーシップを結び、データで自動連携することを目指したい」との見通しを示した。

「一番重要なのはヒト」

 同社はAIでスーパーなど小売業のPOSデータ(商品の販売情報)やメーカーの販促データなどを徹底的に活用し、精度の高い需要予測を導き出したい考えだ。すでに小売店や卸店と協業を話し合っている。

 資材メーカーに対しては、現在4か月先までの販売計画を提示するとともに、在庫状況も共有。計画的かつ効率的に資材を確保できる体制を構築している。

 深井常務は「AI技術は日々の進化が目覚ましい。例えば近い将来、当社と小売店さま、卸店さま、資材メーカーさまのAI同士で最適化をマッチングするようなことも実現するのではないか」と展望。サプライチェーンの各段階で精緻な需要予測を共有する現代版「CPFR」の具現化を予測した。

 その上で「一番重要なのはやっぱり人」であることを強調。

 「仮に自動化と言っても、機械が自分で自動化しようとは言わない。われわれのように意思を持った経営者や物流担当者、サプライチェーンにかかわる人々が現場の課題を見つけて解決していくことが重要だ。それは社員や取引先さまのウェルビーイングにもつながっていくと思う。ワクワクできる業界の未来を描き、優秀な人材が集まるようにしたい。将来的にリスキリングした経営人材やDX人材がサプライチェーンの世界にどんどん入ってくることが理想」とした。

フィジカルインターネット構築へ

 深井常務は経済産業省や国土交通省など行政と密に連携する「フィジカルインターネットセンター(JPIC)」で理事を務める。デジタル技術によって物流にかかわるあらゆる分野にインターネット通信の概念を適用し、次世代の共同輸配送システムの実現を目指すもの。

 「サプライチェーンは社会のインフラだ。その改革はやはり個社では難しく、産官学の連携が不可欠になる」との考えを語る。

 JPICの会合では行政、物流関係、荷主らが参加し積極的にディスカッションしているという。「その中から新しい組み合わせでビジネスが始まったりしている」ことを明かす。

 26年度、一定以上の貨物輸送量がある特定荷主に物流を統括する「物流統括管理者(CLO)」の選任が義務化される。「来年にはCLOが3200人に増えるとの話なので、フィジカルインターネット実現の機運はますます高まるのではないか」と期待を寄せる。

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