J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。
同社の上期連結決算は売上高1122億円(3.5%減)、営業利益25億円(53.8%減)。主力の油脂事業は、外食市場の回復を背景に業務用油脂の販売量が増加したものの、ミール相場の下落により減収。利益面では、油脂コストや物流費等の上昇と価格改定の遅れにより大幅減益となった。
油脂コストは、世界的なバイオ燃料の需要拡大でオイルバリューが高騰する一方、連産品であるミール価格は低迷が続いており、「適正価格の構築と生産性向上により早期の収益回復に努めているが、今年度中のコスト吸収は難しい」と判断。通期の営業利益は当初予想の90億円から50億円に、経常利益は100億円から61億円にそれぞれ引き下げた。
今後の見通しについて、春山社長は「ミール価格の低下に加え、物流費や人件費などのコストもさらに増加することが予想される。従来とは次元の異なるコスト環境であることをお客様にていねいに説明していく」と語った。
そのうえで、「当社として製品ラインアップの最適化や小ロット集約など、今後も生産性向上と一層の効率化に努めていくが、生活に欠かせない油脂を高品質かつ安定的に届けるために、必要不可欠なコストは可能な限り速やかに価格への反映を進めていく」と価格改定の浸透に理解を求めた。


