6.3 C
Tokyo
2.1 C
Osaka
2026 / 01 / 01 木曜日
ログイン
English
トップニュース「金麦」発泡酒→ビールに 酒税率アップにらみ妙手 サントリー、来年10月以降に発売

「金麦」発泡酒→ビールに 酒税率アップにらみ妙手 サントリー、来年10月以降に発売

来年10月1日の酒税改正で、税率が完全統一されるビール類。狭義ビールの税率が引き下げられる一方で、3度目の増税となるエコノミービール(発泡酒)には逆風が強まる。値ごろ感が最大の武器であるカテゴリーの存在意義低下も懸念される。どうするのか――。サントリーが出した答えは「ビール化」だ。

「酒税改正後も両者の価格差は残るが、縮まる。ただエコノミーはビール活性化に欠かせないカテゴリー。消費者の購入量やニーズを踏まえても、その活性化はビール会社としてきわめて重要な仕事であると考えている」(9月29日の発表会でサントリー・多田寅=すすむ=常務)。

同社ビール事業では「ザ・プレミアム・モルツ」「サントリー生」「金麦」による、プレミアム・スタンダード・エコノミーの棲み分けを明確化した価格帯別マーケティングに力を入れる。

20年から段階的に進む酒税改正で、エコノミービールから他カテゴリーへの需要流出が続くなか、同社発泡酒ブランド「金麦」は健闘。今年も年初のリニューアルが奏功し8月まで累計出荷数は前年同期比96%と、市場を4㌽上回っている。

現在、金麦の酒税法上の区分は「発泡酒②」。23年の改正で発泡酒と税率が統合されるまで「新ジャンル」「第三のビール」などと呼ばれていたカテゴリーだ。

同品の原料に占める麦芽比率を50%以上に高めることで、名実ともに「ビール」として刷新。酒税改正が行われる来年10月以降の発売を計画する。

ビール化後の価格も税率アップ分の転嫁のみで、店頭では引き続きエコノミービールとして値ごろ感ある価格帯で販売される見込み。

“ビール化”する3品
“ビール化”する3品

「金麦」本体とともに〈糖質75%オフ〉〈ザ・ラガー〉の主要3品種をビール化。麦芽比率アップにより飲みごたえ強化を図るとともに、すっきりとした後味にも磨きをかけた。〈晩酌サワー〉などその他の品種については検討中という。

「日々、家で飲むのに一番ふさわしいビール類」として「金麦」を挙げる人は、エコノミービールの平均を3倍程度上回る12%前後で推移している(同社調べ)。

「金麦の価格を今以上に上げると、エコノミーニーズに応えられない」(多田氏)と判断。現行の価格帯のままビール化することで“納得できる価値”を強化した。生活に寄り添うビールとしての支持をつなぎとめるとともに、エコノミー市場の活性化を図る考えだ。

関連記事

インタビュー特集

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。