日本の伝統食材である乾物を主な題材に、小学校での食育授業を18年から展開している日本アクセス。今年は全国6エリア7校と、過去最大規模での実施を予定している。
9月9日には、東京・品川区立大井第一小学校の6年生128人を対象に授業が行われた。
1時限目は、海藻製品を扱う東昆(埼玉県)の前野将基社長が、伝統食材「昆布」について体験も交えて児童らの理解を深めた。
昆布の基本情報について、クイズ形式で出題。「どこの海で採れる?(北海道)」「いつの季節に採れる?(夏)」などの3択問題に、活発に手が挙がっていた。
「乾燥した昆布の賞味期限はどれくらい?」との問いに「いつまでももつ」との解答が示されると、意外そうな反応を示す児童ら。
「昆布は乾燥しているので、微生物が育たない。長期保存することで風味が良くなり、3年や4年前のものが頻繁に流通している」との説明にうなずいていた。
「生長するとどれくらいの長さ?」との出題では、全長約7mの昆布を児童らが触って体験。驚きの表情を浮かべていた。
また、昆布のうまみを味わって体験。昆布だし、かつおだし、さらに両者を合わせただしをそれぞれ試飲した児童らは「これめっちゃうまい!」など感想を口々に叫んだ。
授業を終えた前野社長は「70代以上の世代では、昆布やかつお節でだしをとるのが当たり前だった。今は簡便化されただしパックや液体調味料が増え、だしをとる家庭はかなり減っている。世界に和食が広がっているなか、その味をつくる素材のひとつである昆布を、子どもたちにもっと知ってもらえれば」と話していた。
この日の2時限目には、川光商事による「白玉粉」の授業も実施。粉を練って作った生地をゆでて白玉を作り、試食する体験が行われた。