竹内製菓は、柿の種やあられの米菓などを缶飲料容器風の再栓容器(缶風容器)に詰め合わせて販売するという新発想を生み出した。
同容器は、プラスチック製で軽くて中身保持に優れ、スクリューキャップにより開閉可能となっている。外したスクリューキャップは、中身の受け皿にもなりうる。
2月25日、缶風容器を採用した「ひびからピー」(92g)と「こざかなピー」(72g)を新発売した。
「ひびからピー」は同社人気商品の大粒の柿の種「ひび辛大柿」とバターピーナツ、「こざかなピー」には魚の形のピリ辛あられ「こざかな君」とバターピーナツをそれぞれ詰め合わせた。
小袋入り米菓を喫食する場合、小袋を手に持たなければならないことが多いが、缶風容器は手に持たずとも固定の場所に置いておけるのが強みとなる。

取材に応じた三代目・社長の竹内氏は「電車旅などにスクリューキャップに中身を少しずつ取り出して仲間とシェアすることができる。軽くて、つぶれず、持ち歩きしやすい容器であるため、リュックやキャリーバッグに入れても中身が潰れることなく、登山や土産物にも好適」と胸を張る。
同社は、79年間蓄積された餅米菓の製造ノウハウと高い技術力を強みとする。
高い技術力に磨きをかけうる近年のトピックに、歴代の日産車23種をかたどった米菓「新型カキノタネ」への製造協力が挙げられる。
同商品は、日産自動車と神奈川県伊勢原市のコラボ企画で生まれた商品で龍屋物産(伊勢原市)が販売を手掛けている。
新商品2品の想定売価は600円。同社のラインアップでは高単価商品の位置づけとなる。
これについては「時流の原料事情や生産現場の事情を踏まえて安定供給していくための施策も踏まえている」との考えを明らかにする。
新商品で駅売店などの交通チャネルや土産物店、雑貨店などの新たな販路開拓にも挑む。
インバウンド需要や輸出も視野に入れる。

同社は1946年に創業。創業以来、「あられ、おかき、ひとすじに」をモットーに、餅米菓造りの技術とノウハウを蓄積している。
これまでOEM製造を事業の屋台骨とし、ものづくりで業界から高い評価を得る一方、あらゆるコストが上昇基調にあり効率化が求められたことから、2019年頃からNBのリブランディングに着手。
リブランディングにあたり、同社の独自価値(USP)が「あられ、おかき、ひとすじに」のモットーにあることを社員と確認した上で、新ロゴマークを策定し主力商品のパッケージを刷新した。
新ロゴマークは、四角を丸型に切り抜いた江戸時代から続く餅の家紋を採用。
パッケージは、試行錯誤を重ね、外部のデザイナーを起用し、商品名を一番大きく、その次に社名と新ロゴを目立つようにあしらった現行のデザインに辿り着いた。
パッケージの下半分を半透明にして目新しさを打ち出し、商品のキャッチコピーを新たに記載した。
2021年、「柿の種」「サラダ柿の種」「ひび辛大柿」の「餅紋」シリーズ3品を皮切りにリブランディング商品を販売開始。
現在、主力商品として「柿の種」「ひび辛大柿」「サラダ柿の種」「こざかな君」「えびかきもち」の5品をラインアップしている。
今後については「個食シリーズはコスト面や供給面を踏まえてアイテムを終売・集約し、メインカテゴリーの『餅紋』シリーズに注力していく」と説明する。
一方、地元である新潟県小千谷市の活性化や地元企業とのウィンウィンの関係構築を強く志向する。
「地元企業さまから“地元で作られたオリジナル商品が欲しい”との多くのお声をいただき、既にいくつかの企業さまのノベルティなどを手掛けている。新潟の米菓を配るというのは、新潟の企業さまのアピールにつながる」と語る。
竹内製菓が導入しているボイラーの製造を手掛ける同市内の小片鉄工株式会社のノベルティも手掛ける。同企業が展示会や商談会でノベルティを手渡す際、同企業のボイラーが竹内製菓に導入されていることも伝えるなど、双方のアピールにもつながっている。
「地元企業が力を合わせている姿は若い方にも好印象を与え将来の人財確保にもつながる可能性がある。とにかく、お取引先様が喜んで下さるのが、我々としても嬉しく、今後もお客様に喜ばれることを少しずつ展開していきたい 人と人とのつながりや企業と企業とのつながりを今後も大切にしていきたい」と意欲を示す。
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