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加工食品塩市場、独自商品で開拓 天日塩でニッチ需要ねらう浜松塩業

塩市場、独自商品で開拓 天日塩でニッチ需要ねらう浜松塩業

塩元売の浜松塩業(静岡県浜松市)は、独自開発の新商品「波の煌(きらめき)SHARKBAY SALT 480g」(オープン価格)を1月13日に発売している。豪州の輸入天日塩を原料に、ニッチな需要を開拓して塩市場の活路を見いだす。

  ◇  ◇

浜松塩業は、1947年の設立から70年以上にわたって塩を中心に販売する卸売業者。イオン交換膜法塩をはじめ、輸入天日塩、特殊製法塩、岩塩、湖塩、塩化カルシウムなど幅広く取り扱う。

オリジナル商品では、2022年1月に「食品加工用・料理用 業務用天日塩 波の煌 10g 紙袋」、同10月に「波の煌S精粒 290g」を発売した。いずれも原料に三井物産が輸入する豪州・シャークベイ塩田の天日塩を使用。ユネスコの世界自然遺産に指定されているシャーク湾近辺の広大な塩田で、太陽光や風など自然の力を主なエネルギーに、2~3年をかけて結晶化させた塩だ。

新社屋の塩製造関連設備
新社屋の塩製造関連設備

天日塩田塩には製造過程で夾雑物の混入が避けられない。今回の新商品は、国内の工場で洗浄から異物除去、粉砕、整粒まで行ったのち、最終加工と品質チェックを兵庫県赤穂の協力工場で実施する。

容量は480gとした。シャークベイ塩ではまだ発売のない普及価格帯の需要を狙う。刀袮雅広取締役事業部長はシャークベイソルトの特徴を「まろやかな塩味」とし、「自社製造で新たな付加価値を創造し、ニッチな需要を開拓する」と意気込みを見せる。パッケージは、店頭で目を引く黒色を基調にデザインした。

浜松塩業は昨年12月に新社屋を竣工し、塩の粉砕から選別、検査、パッケージングまで自社で可能な環境を整えた。製塩企業では採算面で対応が難しい少量ニーズに応える狙い。将来的には設備を増強し、さらなる新商品の開発も視野に入れる。

刀袮取締役は「環境負荷の観点からも天日塩はニーズ拡大が見込まれる。『波の煌』ブランドとして育てていきたい」と展望を語った。

刀袮雅広取締役(右から2人目)と浜松塩業のスタッフ
刀袮雅広取締役(右から2人目)と浜松塩業のスタッフ

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