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豪雨被災を機に親子で清掃活動 福井市の中学校に農水大臣賞 環境美化教育を表彰

地域と協力して美化活動を行う小・中学校を表彰する「環境美化教育優良校等表彰事業」(主催:公益社団法人食品容器環境美化協会、略称・食環協)。25回の節目を迎えた今年度、最優秀校に選出された学校の紹介特集の2回目は、農林水産大臣賞を受賞した福井県福井市美山中学校の取り組みを報告する。表彰式は1月31日15時、浅草ビューホテル(東京都台東区)で開催される。

地域や家庭の力蓄え環境保全に尽力

福井市の最も東部に位置する美山地区は、町の総面積の90%が山林地帯で、山あいをアユ釣りのメッカ、足羽川が流れている。その豊かな自然に囲まれた同校では、地域一体となった環境保全に取り組んでいる。住民とともに行うのが、国道沿いに花を植える「フラワーロード奉仕活動」だ。高齢化が進む中、生徒の協力は欠かせず、住民は生徒の成長を見守る機会にもなっている。

親子奉仕作業では多くの保護者が参加し清掃に励む
親子奉仕作業では多くの保護者が参加し清掃に励む

そんな交流が築かれた地域を2004年、福井豪雨が襲った。町が甚大な被害を受ける中、生徒は奉仕活動で培った精神を発揮し、復興に尽力した。その翌年からは「親子奉仕作業」がスタートし、校舎の念入りな清掃や足羽川堤防の草刈りなどに親子で取り組んでいる。

地域美化に貢献する住民の協力体制も整い、生徒は自発的に「美山クリーン大作戦」を企画し実施した。ごみは想像以上に多く、掃除機やタイヤといった粗大ごみもあったことに驚いた生徒は、ごみの実態をまとめたポスターを作成し、地域に配布。手ごたえをつかんだ生徒は、交流の機会が少ない校区の3つの小学校にも声をかけ、合同で清掃活動を実施した。

また、漁業組合から提供されたサクラマスの卵を育て、ふ化した稚魚を足羽川へ放流する活動も行っている。

門柊冴(しゅうご)さん(中3)は、「卵がふ化するまで、水槽の水温を測ったり、えさを数回に分けて与えたりして一生懸命育てましたが、大変だと感じたことは一度もなかったです」と振り返る。こうして、川の環境保全に一役買いながら、学校生活では節電や節水など限りある資源の有効活用にも気を配る。

桒原(くわばら)陽奈(ひな)さん(中3)は、「校内のいろんなところに節電や節水を呼びかけるポスターを掲示しています。人気キャラクターを用いて自然と目がいくように工夫しました」と語る。

日頃から協力を惜しまない地域の力、家庭の力を土台に、生徒はふるさと美山の環境を守るためのアイデアを着々と描いている。

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