逆光線(コラム)“オールド”の端くれとして...

“オールド”の端くれとして

知ってる、24組。名前くらいは知ってる、5組。聞いたこともない、16組。今年のNHK紅白歌合戦出演者の個人的な内訳だ。興味のあるなしに関わらず、誰もがとりあえず知っている人物や物事が少なくなってきたように思う。

▼先ごろ兵庫県知事に返り咲いた斎藤元彦氏の応援演説に立ったN国党の立花孝志氏が、聴衆に「この中で新聞を読んでいる人?」と問いかけたところ、手を挙げた人はほぼいなかったという。

▼「新聞は信用できない。SNSで真実を知った」とのたまう人々の多くは、信用できなくなって読むのをやめたのではなく、最初から読んでいないのではないか。人は信用できる情報よりも、信用したい情報を信じる。そんな演出に長けた発信者らが語る留飲の下がるストーリーに、新聞を信じない人々が疑うことなく飛びついた。

▼好むと好まざるとに関わらず誰もが触れる、共通の情報基盤として機能してきたのがオールドメディアと揶揄される存在だろう。その端くれ、というか最もオールドな部類に属するのがわれわれ業界紙か。疑い深い人々の留飲は下げられなくても、地道に積み上げた情報の発信でオールドなりの存在感を主張するほかなさそうだ。

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