「1本買ったらもう1本無料」「2個購入で〇〇円引き」「よりどり3つでジャスト□□□円」――。まるで数え歌で誘(いざな)うように、小売店頭は今日も賑やかだ。
▼こうした販売手法は今に始まったことではないが、最近目につくのがコンビニの「1本買ったらもう1本無料」企画。「プライチ」といった呼称も定着してきた。はじめの頃は対象商品も飲料1品ぐらいだったが、いつの間にか菓子や日雑などに拡大。いまや数種類の企画が同時展開されている。
▼メーカーにとっては新商品などのトライアル購入を促し、コンビニでも新規顧客獲得や再来店の動機付けにつなげるなど、それぞれ狙いがあるのだろう。しかしながら、これだけ常態化してくると「販促費も大変だな」「本当についで買いを誘っているのだろうか」と心配になる。
▼ここ数年の物価急騰で、消費者は節約志向をより強めている。割高と言われてきたコンビニも価格訴求を強化。増量セールなどは大きな反響を得ているが、特売企画やセール頼みではない商品・売場の魅力向上にも力を注いでほしい。