9 C
Tokyo
10 C
Osaka
2025 / 12 / 01 月曜日
ログイン
English
トップニュース「米粉のパン粉」増える 脱アレルゲンや食感訴求 海外、業務用市場にも
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

「米粉のパン粉」増える 脱アレルゲンや食感訴求 海外、業務用市場にも

パン粉メーカーなどが、米粉を使ったパン粉の代替品を強化している。グルテンフリー、アレルゲンフリーのニーズが強まっていることに加え、食感や低吸油といったパン粉との違い、海外や業務用における市場性が背景にある。

旭トラストフーズ(岡山市)は新たに、「米粉の衣」を発売した。国産の米粉を100%使ったフレークで、パン粉の代替としてフライ料理などへの使用を提案する。金田朋宏社長は開発の経緯について「パン粉の原料は小麦であり、グルテンフリーの商品が必要だと考えていた。小麦アレルギーの方にフライを楽しんでもらうだけでなく、パン粉とは違う『表面カリ、内面モチ』の食感もアピールしたい」と説明する。米粉関連品やグルテンフリーの売場が増える中、「パン粉棚以外の売場を開拓したい」考えもある。

上万糧食製粉所「WA‐PANKO corn mix」
上万糧食製粉所「WA‐PANKO corn mix」

同じく国産米のみを使った「WA-PANKO」を展開する上万糧食製粉所(広島市)は、新たにとうもろこしを加えた「WA-PANKO corn mix」を投入した。「より軽い食感になり、黄金色で見栄えも良い。とうもろこしはお菓子に使われることも多く、子どもにも食べやすいと考えられる。新たなニーズを掘り起こしたい」(営業部・保科誠課長)。

もともとは12年前に「米粉フレーク」として、プレーンタイプを発売。その後、グルテンフリー志向の強い海外市場を意識し、19年に現在のブランドにスイッチ。今では24か国に輸出する。乾燥おからを加えた「soymix」も販売しており、それぞれ業務用(9㎏)、外食用(1㎏)、小売用(200g)を揃える。給食などでは当初、小麦粉アレルギーの罹患者を対象にしていたが、最近は全員が同じ食事をするという風潮が強まっており、供給量も増えている。

パン粉に米粉を加え、新たな特徴を打ち出したのが三菱食品。地域特産ブランド『もっとNippon!』から、国産米の米粉と国産小麦粉を使った「米粉が入ったザクザクッと!パン粉」を発売した。

米粉を使った既存のから揚げ粉、天ぷら粉の売上が好調なことを受け、「さらなる米粉活用の拡大を目指し、市場規模の大きいパン粉に着目した」(同社)とする。米粉を加えることで、吸油率の低下と食感の違いといった特徴も訴求する。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点