コーヒーのアイス提案が家庭用と業務用で市場を賑わしている。夏の早期化・長期化や年々過酷化する暑さを受けた動き。アイスコーヒーを切り口に若年層などコーヒーエントリーユーザーを取り込もうとする狙いもある。
消費者行動研究所「飲み物調査」によると、コーヒーのアイス飲用率は1993年の23%から2025年に41%へ上昇し、32年間で1.8倍に拡大した。

UCCグループは2025年から「水淹れコーヒー」と称して打ち出しているアイスコーヒーのバッグタイプ製品のラインアップを家庭用と業務用で拡充。業務用では低温抽出の水淹れはコーヒーだからこそアイスコーヒーの幅広い嗜好性と味覚ニーズに対応できるものとして訴求している。
キーコーヒーは「おうちアイスコーヒー」を格上げする一杯として「KEY DOORS+ リキッドコーヒー」シリーズを押し出しているほか、「KEY DOORS+ スペシャルブレンド深煎り」にアイスコーヒーの飲用シーンを想起させるパッケージを数量限定で採用して同商品の価値を深耕している。深煎りコーヒーが一般的にホット飲用に留まらずアイス飲用にも適していることに着目した施策となる。

ボトルコーヒーで存在感を示すのはネスレ日本。「ネスカフェ ボトルコーヒー」は12年連続で売上トップの地位を堅持。今年は、濃縮コーヒー「ネスカフェ エスプレッソベース」に同社濃縮飲料カテゴリで過去最大規模のマーケティング投資を行っている。
4月27日には、同社濃縮飲料カテゴリで初となるTVCMを投入。6月上旬以降にも第2弾・第3弾の新バージョンのTVCMを投入していく。
インテージSRI+によると、2025年の濃縮コーヒー市場は金額ベースで2022年比約1.5倍に拡大。今年に入っても引き続き拡大傾向にあり、二ケタ伸長を維持しているという。

拡大する濃縮飲料の中で、味の素AGFは「ブレンディ」ポーションに注力。昨年5月に「ブレンディ」ポーション初となるTVCMを放映し、商品の価値伝達を積極的に行ったところ、2025年4-12月は金額ベースで前年同期比約1.6強(出典:インテージSRI+)を記録し、現在も前年を上回って推移している。
直近では、サンリオの人気キャラクター「ポムポムプリン」とコラボレーションした体験型ポップアップイベント「ポムポムポーションCAFE」を都内で開催して話題化を図った。
アイスコーヒー需要に対応したコーヒーマシンも出回るようになった。

ブルーマチックジャパン社は、2025年2月、「ユーラ」の全自動コーヒーマシンで世界初のコールドブリュー機能を搭載した「X10」を発売。その引き合いは強く、同社の河口雅明社長は「すでに計画販売台数をクリアし、アイスコーヒーへの期待は飛躍的に高まっている」と語る。
「X10」は通常は数時間かかるコールドブリューを約1分半から2分で実現し、メニューの幅も広がる点が特長。従来の急冷式のカフェラテだけでなく、コールドブリューコーヒーにミルクを加えたアイスカフェラテも楽しめる点などが支持されているとみられる。
