豆みそ市場が縮小傾向にある中、コロナ禍に売上を伸ばした「液状みそ」。中京エリアではマルサンアイが簡便性の高さなどに着目し、早期から商品を開発し売場拡大に取り組んできた。そのマルサンアイが25年3月に岡崎市のみそ工場閉鎖に向けて商品の絞り込みを行っており、24年9月には液状みそなどの製造を終了する。これに伴い、中京エリアのみそメーカーでは「液状みそ」のラインアップを強化し、売場の確保を進める。
豆みそ・たまりしょうゆの生産量が全国トップシェアを誇る『イチビキ』は、液状タイプの「すぐとけるみそ」シリーズの新商品「すぐとけるみそ 国産赤だし」「すぐとけるみそ 国産あわせ」を投入。国産のみそ、国産鰹節、北海道産昆布、瀬戸内産いりこのだしを使用し、だしを加えなくてもしっかりとしただし感を味わうことができる。
生みそ市場全体の売上は微減傾向にあるが、簡便みそや液状みそは20年以降の内食需要の高まりを契機に市場が拡大。そのうえ、食料品の購入に当たり消費者の70%が国産かどうかを気にしている傾向にあるため、国産のみそを使用した簡便みそ発売で市場活性化を狙った。
「つけてみそかけてみそ」など人気商品を持つ名古屋市の『ナカモ』では「おみそ汁の素 ゆるみそ あわせ」を新発売した。
簡便性の高さを追求した新商品で、水に溶かして具材と一緒に電子レンジで温めるだけで簡単にみそ汁ができる。
一人暮らしや少人数の世帯で作るのが面倒と感じられるみそ汁がより簡単に作れることで、若年層などに訴求していきたい考え。パッケージには、ゆるみその使い方とともに、「気軽に使ってほしい」という思いから、新キャラクター「ゆるにゃんこ」をデザインした。
三重県桑名市の『サンジルシ醸造』では、液状タイプ「楽みそ」シリーズの新商品「楽みそ 合わせ液状みそ」を新発売した。
米みその甘さと、豆みそのうま味とコク、ワンタッチで開けられるキャップ、適量を注ぎやすく液漏れしにくい注ぎ口の容器で使いやすさを重視した。パッケージには同商品を使った料理の写真を掲載。利用シーンをイメージしやすくした。
さらに今春から展開している「楽みそ 赤だし液状みそ」もパッケージをリニューアルし、デザインを統一。「合わせ」と同様に料理の写真を掲載した。