18.7 C
Tokyo
17.8 C
Osaka
2025 / 11 / 10 月曜日
English
飲料系酒類ウイスキーだけじゃない! 広がる進化系ハイボール 次は「ラム」で仕掛け
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

ウイスキーだけじゃない! 広がる進化系ハイボール 次は「ラム」で仕掛け

飲食店でも家飲みでも、いまや当たり前の飲み方として定着したハイボール。今に至るウイスキー市場躍進の呼び水としての役割を果たした。さらにここにきて、ウイスキー以外でも“進化系”ハイボールを楽しむ動きが広がりをみせている。

海外では、ウイスキーをソーダで割る飲み方が日本ほど一般的ではないことが多い。日本独自の発展を遂げつつあるソーダ割文化は、近年は他の蒸留酒にも拡大。その契機となったのが、サントリーが20年に投入した国産ジン「翠」だ。

22年にはRTD「翠ジンソーダ缶」も登場し、チューハイ、ハイボールに続く“第3のソーダ割”としてジンが日本の飲酒シーンに浸透した。

さらにチューハイやレモンサワーが定着している甲類焼酎と比べて、ストレートで飲まれることが多かった芋・麦などの本格焼酎でも、ソーダで割る飲み方が普及してきた。

「バカルディゴールド」
「バカルディゴールド」

これに着目したのが、世界No.1ブランド「バカルディ」を展開するバカルディ・ジャパン。11年から国内独占販売契約を結ぶサッポロビールの販売力も武器に、日本のラム市場をけん引する。

同社の調べではウイスキーのハイボールに満足していないユーザーが約2割いることが分かったといい、樽熟成による色や味わいがウイスキーと親和性がある「バカルディゴールド」によるハイボールを昨年から提案している。

「ラムはこれまで、カクテルを飲む人たちの間でしか飲まれていないお酒だった」と語るのは、同社マーケティングマネージャーの奥村龍太郎氏。

「ウイスキーのハイボールは好きじゃないけど仕方なく飲んでいる人がいる。まだ好きなものを見つけられていない人に情報を届けられれば、われわれとしても勝算がある」。

「みんなで楽しく飲むのがラムの本質」とみて、ウイスキーの世界観との棲み分けも意識。トロピカルで陽気なイメージを前面に、音楽好きな“パリピ未満”の層に訴えかけるプロモーションを展開する。今年は渋谷でのポップアップストア、サマソニ(SUMMER SONIC・サマー・ソニック)へのブース出展などが好評を集めたほか、人気アーティストのRIP SLYMEとサーヤを起用したコラボ楽曲をWEB動画などで展開中。

店頭POPでも「またそれでいいの?さぁ、バカルディハイボール」と、挑発的なコピーでウイスキーからのスイッチを促す。

ハイボール推しが奏功し、1―7月の「バカルディゴールド」販売量は家庭用・業務用ともほぼ倍増。取扱店舗が広がっているほか、店頭での回転も上がってきた。これまで「バカルディホワイト」のみだった売場に「ゴールド」が並ぶケースも増えている。

現状はウイスキーの100分の1程度にとどまるラム市場だが、同社では30年ごろまでに2倍以上の100億円規模とする野望を掲げる。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点