ニップンは、冷凍パスタブランド「オーマイプレミアム」で新たな戦略を展開する。前鶴俊哉社長は7日に開かれたブランド新戦略発表会で「これからのニップンは家庭用商品を強化し、おいしさで食卓を革新する」と宣言した。
前鶴社長は「長期目標として掲げる売上高5千億円の達成には、消費者に対しより価値ある商品を提供することが必須。『オーマイプレミアム』から乾燥パスタを発売する。『家庭用パスタ(のおいしさ)はこんなものだ』と諦めている多くの人の要望をくんだ“もちっとしたパスタ”をご家庭で食べていただきたい」と新たな戦略を進めるに至った経緯を説明した。
同社による調査では、消費者の3割が乾燥パスタで「価格」を最重視しており、「おいしさ」を選択基準とする人は7%に過ぎないなどが明らかになっている。一方で乾燥パスタユーザーの65%が「自宅でもっとおいしいパスタを食べたい」と感じていることも分かった。
20日に発売した乾燥パスタ「オーマイプレミアム もちっとおいしいスパゲッティ」(1.5㎜、1.8㎜)では、40代未満の若年層に多く好まれる「もちっと食感」を実現。デュラムセモリナに国内麦の小麦粉を配合したことで、同様の表面のハリを感じながらも独特の弾力とむちっとした噛み切る食感を付与した。
3月発売の冷凍パスタに関しては、市場全体が拡大する中で消費者の多くが「オーマイプレミアム」のおいしさを最も評価していると報告。具材を大きくし、おいしさを強く訴求したコミュニケーションを実行したことで、昨秋以降のブランドシェアは3月比で130%まで伸長した。
同社では新たな施策でパッケージに記載したブランドロゴの視認性をアップしたほか、アイテムカラーにより具材コピーを強調。
また、具材の大きさと量についてシズル写真を使い訴求するなど品位の高さをアピールしている。製品群については23年春に期間限定で発売し、好評だった「うま塩レモン」を再投入。シリーズ3品をリニューアルし、最上級をうたった「至極」シリーズからは「カルボナーラ」が登場した。
発表会ではグロサリーと冷凍食品で計29品の春夏新商品・リニューアル品を発表。俳優の杉浦太陽さんがゲストとして登場し、「オーマイプレミアム」を使ってパスタメニューを調理した。感想を求められた杉浦さんは「新しい乾燥パスタは子どもたちも喜ぶおいしさで作りがいがある。ソースと絡みやすく、麺の太さでソースの種類を変えられるので楽しい」と話した。