ネスレ日本製品の紙パッケージを原料にアップサイクルで作られた水引の創作アクセサリーが1月31日発売された。
一般社団法人アップサイクルによる「TSUMUGI」プロジェクトの一環で、アップサイクルの活動の啓発が目的。ケント・チャップマン社が展開する「東京水引」とのコラボレーションとなる。
1月30日、取材に応じた一般社団法人アップサイクルの瀧井和篤事務局長(ネスレ日本マーケティング&コミュニケーションズ本部アカウントディレクター)は「使用後の紙資源や間伐材で作る紙糸『TSUMUGI』の作り方が、水引の作り方と同じことがわかりコラボに至った」と語る。
開発には試行錯誤を重ね構想から2年を要した。
アップサイクル水引は、ネスレ製品の紙パッケージと六甲山の手入れで発生する間伐材を原料とする和紙を細く裂き、紙撚り(こより)状にして開発された。
「水引としての強度を担保するため、和紙の厚みや裂く幅を細かく調整するのが大変だった」と振り返る。
今回のコラボ製品は、ケント・チャップマン社に所属する作家の中村江美氏が手作業で作っている。
中村江美氏は「水引はご祝儀袋などで使われ、人と人をつなげる”結び”という意味がある。資源を循環させていくアップサイクルと、意味合い的にも合っている」と説明する。
ケント・チャップマン社の中村真太郎代表取締役は「昔、水引は和紙から作られていたが、現代の水引は紙パルプを原料にしており、和紙で作る水引はほとんどなくなっている。今回の取り組みは、水引を本来の姿に戻すアプローチとも捉えられる」と述べる。
同コラボでは、アップサイクル水引を使ったイヤリングやピンバッジなどが販売される。販売箇所は、「TOKYO MIZUHIKI」、「クラフト&テロワージュ」の実店舗2箇所とECサイト。ネスレ日本が行うキャンペーンなどにも活用される可能性もあるという。
中村江美氏は「アップサイクル水引は、白すぎず温かみのある素朴な色。この色味を活かしながら、アップサイクルに関心が無かった方も手に取りたくなる、目に留まりやすいデザインにした。ピンバッジなど、性別を問わず日常に取り入れやすいアイテムも取り揃える。今回のコラボをきっかけに、水引がさらに広まってほしい」と期待を寄せる。
ネスレ日本製品の紙パッケージの回収場所は、流通と協力しながら増えており、期間限定の設置から常設になったところも多いという。今後もパートナーを増やしながら拡大を目指す。