イタリア大使館貿易促進部は20日にコンラッド大阪、21日にホテルインターコンチネンタル東京ベイで、イタリアワイン&エクストラヴァージンオリーヴオイル商談会「BORSA VINI&OLIO EVO2023」を開催し、食品・外食業界や流通業界、輸入商社など多くの来場者で賑わった。
ワイン、オリーブオイルを含め、大阪会場では33社、東京会場では60社が出展し、イタリア産のワインやリキュール、蒸留酒(ノンアルコール含む)、エクストラバージンオリーブオイル、アロマオリーブオイルなどを展示。すでに日本に輸出している製品を生産者と輸入元双方で紹介したり、日本未進出の生産者も多数出展。中には新規のインポーターを探している企業が、初めて日本で紹介する商品も展示された。
カプリピゥ社の「リモンチェッロ」は、レモンの皮から造られる南イタリアの伝統酒で、家族経営の小さな生産者であり、400年以上続く伝統のレシピにより、こだわりの味を作り続けている。無農薬栽培のレモンの皮をふんだんに使っているため、ほのかな苦味が楽しめる。
もう一つの特徴は、現地の絵付師によって装飾された豊富なボトルデザイン。二人の絵付師がひとつずつ手描きした愛らしいデザインの小瓶に入っており、ギフト用としても最適。総代理店ルーチェの伊藤美奈子社長は、「既に伊勢丹や高島屋、ロフトなどデパートのほか、ディズニーランドのカクテル原料にも使われているが、今回の商談会を通して販路を広げたかった」と出展した。「日本はレモンで果汁をイメージする人が多いが、皮にも豊富な栄養素が含まれている。イタリアでは冷凍庫でキンキンに冷やし、トロッとしたワインを食後にストレートで飲み、油分を流して消化を助ける飲み方もある」と言う。
リゼルヴァ・サンタゴスティーノ社は、土着品種を使用したオリーブオイルを生産。口当たりが柔らかいシナモンなど3品種を展示し、10月に搾油したばかりの商品を試飲させた。世界の一流シェフ御用達のレフェッレ社のフレーバード・オリーブオイルは豊富(33種)な品揃えが特徴。プーリア州で育った新鮮なオリーブの実を、収穫から24時間以内に自社工場で、香りや鮮度、栄養素を保ちながらオイルを搾り出している。
今回の東京開催の商談会について、イタリア大使館貿易促進部の杉岡有希氏は、「円安により輸入品が厳しい中、出展社にはコロナが明けて今こそ打って出るという積極姿勢が散見され、例年以上に商談に対する熱心さが伝わった。早くからイタリア全土に出展を呼びかけたが、募集開始と同時に応募が埋まってしまう人気ぶりだった」と言う。インポーターと一緒に出展した企業や日本のインポーター探しを目的に出展する企業など事情はまちまちだが、「全体の商談会を通して好感触な印象を受けた」と語った。