セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)は、宅配サービス「7NOW」(セブンナウ)を強化する。「7NOW」はセブン-イレブンの商品をスマホで注文し最短30分で届けられるもので、8月末時点で約4千700店舗で展開している。
9月5日に「7NOW」アプリをリリース以降、操作性が向上し、SNSで話題になったことで売上が急伸。店頭と使い分けるなどのポジティブな動きもみられ、今後この動きを加速させる。
10月12日、決算説明会でセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は「アプリ化によって利便性の向上やお買得情報の発信など、お客様にとってますます利用したくなるような仕組みを進化させていく。今期(2月期)中に1万2千店に導入し、来期に全店拡大を計画、年間で数百億円の売上増加を見込む」と意欲をのぞかせる。
これまでの展開により見いだされる今後の発展の可能性については、店頭販売とのカニバリが起きていない点と、出前ニーズと買い置きニーズの両方に対応している点を挙げる。
店頭販売とのカニバリに関しては「7iD」会員のデータで昨年店頭のみ利用した顧客で今年店頭と「7NOW」の両方を利用した顧客の利用金額を検証した結果、「店頭のご利用金額はほぼ変わらず、『7NOW』のご利用金額がプラスオンされており、店頭と『7NOW』を目的に応じて使い分けられていることがみてとれる」と説明。
出前ニーズと買い置きニーズについては「7NOW」販売数量上位の単品から浮き彫りになった。「上位50単品のうち76%をオリジナル商品が占め、オリジナル商品上位単品のうちコロッケやアメリカンドッグなどの店内調理品5品が上位10位に入っている」と述べる。店内調理品を除くオリジナル商品上位5位は1Lの牛乳や大容量サイズであることから「『7NOW』は出前的ニーズと買い置きニーズの両面で受け入れられていることを示していると認識している」。
今後は「7NOW」としてもオリジナル商品を強化。「店内調理品をできたてでお届けするといったSEJにしかできないデリバリーサービスを全国展開に向け進めていく」と語る。
「店頭利用はほぼ変わらず、『7NOW』の利用が純増している状況。『7NOW』は出前ニーズと買い置きニーズの両面で受け入れられ、今までのEコマースとは全く違う使われ方をしている」と語る。
販売数量をみると、上位50単品のうち8割近くをオリジナル商品が占め、コロッケやアメリカンドッグなどの店内調理商品5品は上位10位に入っている。
「オリジナル商品の強化は必須。店内調理のできたてを届けるなどセブンにしかできないデリバリーサービスを全国展開に向け進めていく」と語る。
セブンナウアプリは9月のリリース以降、インストール数が大手ファーストフードやデリバリーアプリを含むフード・ドリンクカテゴリで1位を獲得し、10月の売上は8月の3.1倍となるなど利用を後押ししている。
「従来から実施しているリアルタイム在庫連携や最短30分でお届けするなど質の高い体験価値、セブンでしか買えない高品質なオリジナル商品に加え、アプリ化によるシームレスな連携という操作性向上が高いコンバージョンレートにつながった」と分析。今後はさらなるアプリの利便性向上やお得情報の発信なども検討する。