AGFのスティック入りパウダー飲料が環境啓発に取り組む自治体から支持される理由

味の素AGF社が2021年2月に発売した1L用のスティック入りパウダー飲料「ブレンディ」ザリットルの環境価値が評価され、各自治体と連携した生活者への環境啓発活動が全国へ広がっている。

7月30日、香川県が開催した環境学習会には約2500人の親子が訪れ、その中で賑わいをみせていた企画の1つがAGFの出展ブースだった。

出展ブースでは、大阪支社中四国支店四国営業所の社員らがスタンプラリー参加者にザリットルの試供品を無料配布。訪れた親子に向けて、ザリットルがプラスチックごみ削減に貢献できる点などをアピールしていた。

ザリットルは、大型ペットボトル(PET)入りのお茶やコーヒーを持ち運ぶのは重たくてストックするにも場所を取ることから、その解決に向け、買いやすさや使い勝手のよさに主眼を置いて開発された。

これに伴いエコ設計になっているのも大きな特徴で、スティックの包材の一部に紙素材を使用し大容量PETに比べてプラスチック使用量が94%削減できる。(※1)さらに、スティックの包材の一部には紙素材を使用している。また、積載スペースの削減により輸送効率が大幅に改善されて運搬車のCO2排出削減にも貢献している。

AGF出展ブースに並ぶ「ブレンディ」ザリットル - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
AGF出展ブースに並ぶ「ブレンディ」ザリットル

AGFの提案によりザリットルの価値に触れた香川県は5月、官民取組みプラットホーム「かがわプラスチック・スマートショップ」にAGFを認定。“パウダードリンク普及活動による使い捨てプラスチックごみ削減”と“パウダードリンクを活用したマイボトル利用の推進、啓発活動”を取り組み項目に定めた。

前述の環境学習会へのブース出展はその一環となる。

マイボトル利用促進としては、マイボトル用のスティック入りパウダー「マイボトルスティックワン」の試供品をマイボトル持参者にプレゼントした。会場に設置のウォーターサーバーを利用して、その場で冷水に溶かして味わいとともに簡便性・利便性を体験できるようにした。

抽選でもらえるノベルティを用意して環境啓発クイズも実施したところ「長蛇の列をなし、気づきを与えることができて非常によかった」と振り返るのは、応援に入った大阪支社営業企画グループの楠田大士さん。

「マイボトルスティックワン」の試供品をマイボトル持参者にプレゼントしている様子と、その場で体験できるようにウォーターサーバー(写真右)を設置 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「マイボトルスティックワン」の試供品をマイボトル持参者にプレゼントしている様子と、その場で体験できるようにウォーターサーバー(写真右)を設置

「ブースにはAGFの環境への取り組みをまとめたパネルも展示し、保護者の方よりもお子様が“何をやっている会社なのだろう?”と足をとめて下さったことが大きかった。お子様につられるように保護者の方にもAGFを知っていただくことができた」と語る。

香川県環境政策課地域環境共生グループの主任技師の鷺岡和寿さんと主任主事の佐藤麻莉さんは「ただ工作やクイズをして終わりではなく、その中で来場者の皆様に「環境」について何かを感じて考えてもらえる“きっかけ”を作ることができたイベントだと感じている。また、AGFブースについてはクイズに加えて、マイボトル持参の来場者に商品サンプルをお配りし、マイボトルの利用促進やペットボトルゴミ削減を意識させるもので、すごく考えられた内容だと感じた」と口を揃える。

香川県環境政策課地域環境共生グループの主任技師の鷺岡和寿さん(中央右)と主任主事の佐藤麻莉さん(中央左)、AGF大阪支社中四国支店四国営業所の柳川さん(左)、中四国支店の田中支店長(右) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
香川県環境政策課地域環境共生グループの主任技師の鷺岡和寿さん(中央右)と主任主事の佐藤麻莉さん(中央左)、AGF大阪支社中四国支店四国営業所の柳川さん(左)、中四国支店の田中支店長(右)

大阪支社では、21年の大阪府との取り組みを皮切りに、今回の香川県を含めて2府12県で官民連携での使い捨てプラスチックごみ削減と環境啓発活動に取り組んでおり、今後も他府県の行政主催のイベントに出展を予定している。

その際、自治体が一民間企業の活動を後押ししているようにみられないように、官民取組みプラットホームに参画していくことに重きを置く。

行政協働活動の柱は、行政主催の環境啓発イベント・キャンペーン・コンテストへの参画に加えて、啓発媒体の作成が挙げられる。

啓発媒体の作成では、行政公式キャラクターなどを活用。行政のお墨付きを得たPOPなどの販促物を用いて流通企業からも協力が得られるように促していく。

AGF社員。左から大阪支社営業企画グループの木下聡さん、楠田大士さん、大阪支社中四国支店四国営業所の柳川さん、中四国支店の田中支店長、四国営業所の田中さん、田中君樹さん - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
AGF社員。左から大阪支社営業企画グループの木下聡さん、楠田大士さん、大阪支社中四国支店四国営業所の柳川さん、中四国支店の田中支店長、四国営業所の田中さん、田中君樹さん

1日に何万人もの方が訪れるスーパー様などの売場で環境啓発できれば、店頭でのお客様へのタッチポイントが増え、行政の悩み解消にもつながるとみている。

実際に、行政協働活動を契機にザリットルが流通企業に導入されるケースもあり、今後はこの動きを加速させる。

「イベントに参加しているとパウダードリンクの認知拡大の重要性を感じる。ザリットルについても、イベント参加の方に手軽に手に取っていただけるよう、身近な店舗への導入を拡大させていきたい。このように地球環境によい商品を広げていくことで、使い捨てプラスチックごみを削減しサーキュラーエコノミーに貢献していくのが最終目標」(楠田さん)と意欲をのぞかせる。

※1「ブレンディ」ザリットル2本(2ℓ分)と2ℓペットボトルを比較